“心地いい”部屋に必ず共通する、5つの「ある」もの

暮らし

更新日:2018/2/27

『心地いいわが家のつくり方 02好きから始めるインテリア』(主婦の友社)

 どんな部屋に住もうとそんなことは人の勝手で、部屋の条件も好みも人それぞれ。だけど、だれかに見せるための部屋でなく、自分にとって心の底から“心地いい”部屋にしたいと思うなら、これから紹介する【心地いい部屋にある、5つの共通点】は役に立つ。
 とてもシンプルな言葉だけれど、25年以上インテリア撮影を行ってきた結論として、流行も時代も超え、不滅の真理だと言える。

「心地いい家にある、5つの共通点」
(1)お気に入りの「家具」がある。
(2)お気に入りの「日用品」がある。
(3)「古いもの」がある。
(4)「植物」や「花」がある。
(5)家族の「思い出」がある。


 この5つの「共通点」がすべて必要でもないし、欠けても、偏っていてもかまわない。ものが多いとか少ないとか、きちんと収納されているかなんてことはあまり関係ない。自分や家族の“好き”なものが暮らしに息づいたインテリアが、心地よさを生み出す。家族の“好き”なものがまじり合い、その家らしさが生まれる。適度な“生活感”がくつろぎをもたらす。
 思い起こしてほしい。リビングやダイニングにモノがほとんどない、ミニマムな部屋を訪ねて、居心地いいなと感じたことはあるだろうか。




 5つの共通点について、少し説明をしたい。

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(1)お気に入りの「家具」がある。
 部屋の印象や居心地を大きく決めるのが、大きくて存在感のある「家具」。“家具は人を幸せにする”――。そう言ったのは、デンマークのデザイナー、ボーエ・モーエンセン。大好きな家具があると、その美しいたたずまいに見とれたり、ふれるたびに満足したり。あるとうれしくなるような家具には、人をウキウキさせ、元気にする力がある。

(2)お気に入りの「日用品」がある。
 毎日、目にするもの、手にするものこそ、自分が納得のいくデザインや品質のものを選びたい。使い込むほどに愛着がわいて、また使いたくなる。人に見せるためでなく、自分や家族のためのプライベートな日用品が、暮らしを豊かにする。

(3)「古いもの」がある。
 年がたてば、どんなものでもくすみ、傷み、よごれが目立ってくる。どんなに古くてもその土地で、あるいは国を越え海を渡り、人の手を介して大事にされてきた昔のものには、年月を経たものにしかない魅力がある。古さを味わいに感じる人の家には、おおらかな空気が流れている。

(4)「植物」や「花」がある。
 植物や花があるだけで、その場の空気がやわらぎ、心まで癒やしてくれる。部屋にいて季節感を味わうこともできる。花瓶がなくても、食器や保存瓶など身の回りのものに生けてもOK。目にかけ世話をして見守ることで、部屋もみずみずしくなる。

(5)家族の「思い出」がある。
 はじめ違和感があったものでも、暮らすうちに、家族が“好き”で選んだものが、だんだん愛おしくなってくる。それぞれ違う好みや感覚、個性がまじり合い、なじみ、その家らしいインテリアになっていく。家族の思い出が重なり、心地よさが増す。


 まずは、自分の“好き”と向き合うこと。家族の“好き”を見つめること。自分たちが心から“好き”なものやこと、時間や感覚を知ること。
 では、そんな自分たちの“好き”をどう生かせば、心地いい部屋づくりができるのか――。『心地いいわが家のつくり方 02好きから始めるインテリア』(主婦の友社)は18軒の部屋づくりを通して、そのヒントやコツをまとめた新しい実例集になる。

 また、人気スタイリストの作原文子さん、「Roundabout」「OUTBOUND」店主の小林和人さん、「仁平古家具店」の仁平透さん、室内装飾家のchikuniさんをはじめ、インテリア業界をけん引する方たちの“心地いい”部屋をつくるためのコラムも読みごたえがある。

 全208ページ、最後まで目を通したら、「インテリア=生き方・暮らし」だと実感するだろう。そして、インテリアの奥深さ、愉しさ、魅力にきっと目覚めるはず。