林真理子が教える“賢女の極意120” 「マリコ語録」で女性の心をリフトアップ

小説・エッセイ

2018/2/25

『運命はこうして変えなさい 賢女の極意120(文春文庫)』(林真理子/文藝春秋)

 辣腕をふるうスクープ力と選りすぐりの記事で「文春砲」と畏怖される『週刊文春』。反面その「表紙」は、上品で静かなたたずまいを一貫して崩さない。まるでセンセーショナルな見出しにあふれた他の週刊誌とは「格」や「インテリジェンス」の一線を画していますよ、とでもいいたげである。

 その『週刊文春』というシビアな舞台で34年間も人気エッセイの連載を続けてきた林真理子氏。本書『運命はこうして変えなさい 賢女の極意120(文春文庫)』(林真理子/文藝春秋)はその長きにわたる連載の中核にキラリと光る120の「マリコ語録」を厳選、ひとつひとつに林氏のミニエッセイともいえる「解説」をつけ、8つのテーマにまとめたものである。

「おしゃれについて」の章より一例を紹介しよう。

人間はある時から、磁石のような力を持つことがあるのではないだろうか。
欲しいもの、知りたいことが、自然とそこに吸い取られていく。
長い人生、そんなひとときが起こることはきっとありえるはずだ。

「マリコ語録」が女性に人気があるのは、率直であることのほかに、不思議と、読む女性の士気をアゲてくれるということも加えたい。読み進めるほどに、これからいくらでも自分次第でよいことを呼び起こせるのではないかという気持ちがムクムクと立ち上がってくるのは、私だけではないだろう。女性が「華」であり続けるためのエッセンスが行間から立ち昇ってくるかのようだ。読む「カンフル剤」、もしくはリフトアップ効果の高い、読む「マリコパック」ともいうべきか。

 ではなぜ、「マリコ語録」には読み手を素通りさせない魅力があるのだろうか。まえがきで林氏は語る。

私たちはプロである。皆がネットでたれ流しているようなことを書いてもお金はもらえない。毎回、新しい発見、新しい視点を探さなければ、エッセィ連載を続けることは出来ないのだ。(中略)そうして私たちは鍛えられ、意地悪くなり、好奇心が強くなり、ふつうの人よりもいろんなことが見えるようになったと思う。

 百戦錬磨のプロの自負を感じさせる言葉だ。もちろん女性についてだけではない。『週刊文春』でリアルタイムに掲載される社会現象や身近な話題、人生の普遍的な事象について、鋭い観察眼と感性で切り込んでいく。一瞬、気持ちをアゲてくれるだけではない。ほんとうは怖い世の中の真理を、鮮やか、かつ平易な言葉で表してくれるのが「マリコ語録」だと思う。

 さて本書は「マリコ語録」と「解説」の2本立てだがオススメは「マリコ語録」のカンフル感で奮起、「解説」でじっくりと大人の「滋養感」を味わうという読み方だ。ぜひ交互に何度も読み比べてみてほしい。仕事や家庭、恋愛などでちょっと疲れてしまったときも、ふと笑え、心にしみてくるだろう。

文=佳山桜子