女医がモテないのはなんで!? 男女の差をうまく認識すれば、悩みの9割は解決する!

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公開日:2018/5/6

『理屈で動く男と感情で動く女のもっとわかり合える会話術』(佐藤律子/かんき出版)

 男女平等はまだまだ完全な形とは言い難いが、それでも我々を取り巻く環境は時代とともに大きく変わった。男女が等しくなるということは、これまでよりも男女が一緒に取り組む機会も増えることをも意味する。

 上司、部下、同僚、取引先、彼氏、彼女、夫、妻、息子、娘…。どんな関係性であっても、やはり性別の違いを感じさせられる場面は日常の至る所に転がっている。男性と女性とを差別することは良くないが、しかし区別は明らかに存在する。この世に男と女が存在する限り、すべての人に必要とされるスキル「異性間コミュニケーション」を扱った本、『理屈で動く男と感情で動く女のもっとわかり合える会話術』(佐藤律子/かんき出版)を本稿ではご紹介したい。

■幸せな一生を送るために必要な3つのこと

 心理学者アルフレッド・アドラーは、「人間が幸せな一生を送るために必要なこと」として、次の3つを挙げている。

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1.心から没頭できる仕事(天職)がある
2.協力し合える仲間がいる
3.愛する異性がいる

 そしてこの3つの条件すべてには、「異性間コミュニケーション」が応用できると著者は説く。男女がともに異性のことをしっかりと理解し、より良い関係性を築くためのコミュニケーションスキルを上の3条件に当てはめると、

1.仕事が潤滑にいくために必要な男女間のビジネスコミュニケーション
2.仲間づくりに必要な男女間の生活的なコミュニケーション
3.愛する人とのコミュニケーション

となる。男女が生活すべての面で平等に接するようになればなるほど、これらのスキルは幸せな生活のために必須となってくるのだ。

 一般的に男女は違う思考回路を持つ。これは人間も動物なので当然のことだ。大切なのは、その差異をしっかり理解し、相手を思いやれているかどうかだ。実際に、男女を意識して言葉づかいを変えただけで業績が伸びた企業もあるのだという。

 この男女の差異は本書で詳細に解説がなされているので、ぜひお手に取って確認していただきたい。また本書はその差異を理解した上での「気の利いたひと言」などの例も豊富だ。

■男の医師はモテる。女の医師はモテない。

「男性=支配者、女性=服従者」というイメージは、古い時代の男尊女卑的な考え方だ。今の時代、さすがに男性が支配する者で女性が支配される者と思っている人は少ないだろう。そう思いたいところだが、本書では次のような実例が紹介されている。

 私がセミナーでよくする質問があります。
「女性から見て、自宅待機(ニート)の男性と医師の男性、どちらが魅力的ですか?」
「どちらと結婚したいですか?」
 すると、ほぼ全員が「医師」と答えます。(中略)自宅待機(ニート)がなぜ人気がないのか、その理由を総合すると、「私を幸せにしてくれなそうだから」というところに落ち着きます。

 男性にも同じ質問をします。
「医師の女性と家事手伝いの女性、どちらが魅力的ですか?」
 すると、なんと7割が家事手伝いの女性を選ぶのです!
 なぜか、その答えは明確です。
「確実に自分のほうが上に立てるから」、つまり自分が支配者になれるからです。家事手伝いの女性は、男性にとって守りがいのある女性に映るのです。
 一方、医師の女性は、「収入面も、頭の良さも、いろいろ負けるから……」という答えが返ってきます。(38~39ページ)

 まだまだ現状では「男=支配者、女=服従者」という構造でないと結婚できない人は多いのだという。

 男女の差とは、実におもしろいものでもある。異性とうまく関係を築くことは、双方の人生の幸福にもつながることだ。互いに理解し合い、相手の性質的な部分に配慮したコミュニケーションを模索することは、結果的に男女が平等に協力し合える社会の実現のためにも重要そうだ。

文=K(稲)