「我思う、ゆえに我あり」を説明できる? 哲学者の言葉が丸ごと分かる最新ガイドブック

文芸・カルチャー

更新日:2020/5/11

■「我思う、ゆえに我あり」byデカルト

 数学者でもあったデカルトは、哲学における「疑いようのない真実」を見つけようとしました。そのために、まず周囲のあらゆるものや、自らの肉体さえも疑って考えましたが、どうしても疑うことのできないのは「今全てを疑っている自意識」の存在であることを見つけました。「全てを疑っている私の自意識は確かに存在している」それが「我思う、ゆえに我あり」なのです。

■「弁証法」byヘーゲル

 哲学における「弁証法」とは、「対立する意見をぶつけ合わせて統合し、より高次な意見へと昇華させる」というものです。まず、前提となる1つの意見(テーゼ)があり、それに対する反対意見(アンチテーゼ)が存在します。この二者を対立・統合させる行為を“止揚(アウフヘーベン)”といい、それによって生まれたより高次な結論を“合(ジンテーゼ)”と呼びました。

 いかがでしたか? こういった哲学者や哲学用語の説明に加えて、章と章の間には身近で興味をもちやすい題材の哲学コラムも挿入されています。たとえば、仕事やプライベートで先ほど挙げた「弁証法」を使ってみようというテーマもあります。東京都知事・小池百合子氏が会見で「アウフヘーベン」という言葉を使ったことを印象的に記憶している人もいるのではないでしょうか。

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 海外では、一流のビジネスマンであれば身につけておくべき教養と考えられていることも多いという哲学。本書を分からない言葉があったときの辞典がわりに使うもよし、また読み物として楽しんだり、自分の考えを深めたりするもよし。そうやって楽しみながら哲学の知識を身につけて、あなたも手軽に、カッコいい知識人たちの仲間入りをしてみませんか?

文=山田麻也