え、4人に1人しか持ってないの? 日本人の「パスポート保有率」が低い理由

ライフスタイル

2018/5/22

 GWや年末年始には海外で過ごす人たちの出国・帰国ラッシュがニュースになります。しかし、外務省が発表した2017年の年間旅券統計によると、日本人のパスポート保有率は4人に1人。意外に少ないと思いませんか?

■諸外国のパスポート保有率は?

 Forbesの記事によると、アメリカのパスポート保有率は42%(2017年)。カナダは66%(2016年)、イギリス(イングランドおよびウェールズのみ)は76%(2016年)。いずれも日本より高い率です。

 日本人がパスポートを保有しない、すなわち海外へ行かない理由のひとつには、島国という地理的条件もあるでしょう。日本人の場合、パスポートを使うためには、文字通り「海の外」へ行くことになるので移動も大変です。

 その点、陸続きのヨーロッパなどは隣の国へ買い物に行ったり、友人を訪ねたりするのも気軽にでき、外国がずっと身近。ヨーロッパでは多くの国がシェンゲン協定を結んでいるので、適用国間は自由に移動でき、パスポートチェックもありません。イギリスも日本と同じ島国ですが、たとえばロンドンからパリまではユーロスターという高速列車で約2時間半と近く、国内旅行感覚です。

 ちなみに中国人のパスポート保有率は意外に低く、まだ5%程度だといわれます。ただ、今後上がっていくことは間違いないでしょう。

■海外旅行に興味が湧かない3つの理由

 海外へ行かない理由は人それぞれですが、以下のような理由からそもそも海外旅行に興味がない人もいます。

1.周囲の人が行かない

 海外志向には地域差があります。パスポート保有率を都道府県別に見ると、1都3県(東京・神奈川・埼玉・千葉)で国内全体の約4割を占め、ワースト3の青森・岩手・秋田は1桁台。周りの人が行かなければ海外旅行の話題になることも少なく、自然とレジャーの選択肢からはずれていきます。最近は地方の空港から直接海外に飛ぶこともできますが、行き先は限られます。

 また地方の中小企業は長期休みを取りづらいこともあり、休めたとしてもカレンダーどおりのハイシーズンなら旅費は高め。そんな状況で海外に行くのはかなりの旅行好きに限られてしまい、行く人と行かない人に大きく分かれてしまう傾向も。

2. 準備が面倒

 海外旅行には、パスポートの申請・更新をはじめ、両替や保険加入、スマホの海外利用設定など、プラスアルファの準備が必要。さらに、現地ではチップの習慣などに戸惑うことも。これらも旅行の醍醐味として楽しめればいいですが、面倒だと思ってしまうと重い腰が上がらないようです。

3.日本で十分満足できる

 南北に長く、四季のある日本は魅力の宝庫。雪山からビーチ、大自然から大都会まであらゆるスタイルの旅行を楽しむことができるので、わざわざ海外に行かなくても……と考える人もいます。また、昔に比べて海外旅行も気軽に楽しめるようになり、テレビやSNSでも簡単に情報が得られるようになったため、“未知の世界への憧れ”のようなものは薄れつつあります。

■世界1位の自由度!使いやすい日本のパスポート

 先ごろ、コンサルティング会社のザ・ヘンリー&パートナーズが発表したパスポートの自由度をはかる調査「Henley Passport Index 2018」では、日本はシンガポールとともに1位になりました。実に180の国や地域に、ビザなし(または簡易なアライバルビザ)で行くことができます。そんな便利なパスポートを使わないのはちょっともったいないかもしれません。

 海外旅行には、そこでしかできない体験や得られない刺激がたくさんあります。もちろん、自分の国の理解を深めるのも大切ですが、旅行を計画するときは、国内か国外を意識しすぎず、柔軟に選択肢を広げてみてもよいかもしれません。

文=citrus 古屋江美子