成功体験がアタマのいい子を育てる! 親が知っておくべき「カンタン習慣」

出産・子育て

2018/6/20

『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(富永雄輔/文響社)

 アタマのいい子はどうしたら育つのか? 生まれ持った才能やたくさんの勉強より、まずは家庭で子どもの“伸びしろ”を育てることが大切だと説くのは、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)。人気進学塾VAMOSの代表を務める富永雄輔さんが、東大生の小学生時代の体験談などをもとに、アタマのいい子に育つ習慣を紹介しています。

継続力を身につける←日記ではなくドリルを使う理由は?

 本書によると、子どもの能力を伸ばす親御さんは、学習の習慣をつけさせるための工夫がとても上手。たとえば、ある人は子どもが小学校1年生の頃から計算ドリルを5冊用意し、そこから自分の好きなものを選んで毎日5分取り組ませる、というテーマを与えていたそうです。

 なぜドリルか? 継続力をつけるなら日記でも良さそうですよね。でも、毎日日記をつけるのは大人でも難しいこと。子どもなら尚更そうで、どうしても「やりなさい!」と強制することになるでしょう。小学校低学年くらいまでに、継続することの苦しさや難しさを味わわせてしまうと、後々とても苦労するのだとか。取り組みやすいテーマを取り組みやすい形で与え、無理のない学習習慣を身につけるのと同時に、「続けられる」という成功体験を味わわせられるのが5分間のドリルなのです。

 コツは、計算ドリルでも漢字ドリルでもいいので、必ず解けるレベルのドリルを選んであげること。5分が難しければ3分から始めてもOK。継続力さえ身につけば少しずつ負荷をかけられるので、じきに5分が10分になり、上の学年のドリルに楽に取り組めるようになれば、しめたものです。

自分の限界を“ちょっと超える”体験を

 東大生の多くは小学5~6年で一人旅を経験しているそうです。ある子どもは小学5年のとき、東京の吉祥寺から山梨の甲府まで電車を乗り継いで移動し、武田信玄の像の前で写真を撮ってくるという目標を達成。この旅で「やればできる」という自信を得てからは、自分から進んで一人旅をするようになったそうです。

 本書によると、子どもが伸びない原因の9割は負けグセで、「自分はこの程度だ」と思うと成績を伸ばすことが難しくなります。そこで、一人旅という厳しい環境を経験させると、どんな状況にも本気で挑もうとするピンチに強い心が育つのだとか。

 行き先は、自分の限界を“ちょっと”超えられる場所にすることがポイント。その子の実力に応じて、まずは隣の駅、その次は隣の県…と段階を踏んで行き先を決めると良さそう。自分に自信がない子や、積極性に欠ける子に試してみたい方法です。

 たとえ東大を目指していなくても、これからの世知辛い社会を生き抜く、強くて賢い子どもの育成に役立ちそうなコツの数々。アタマのいい子を育てるには、まずは学べる環境を整えること、つまり習慣づけが必要なのですね。それには親のサポートが必須。本書で紹介されているのは、決して難しくなく、限られた時間の中でできることばかりなので、これなら忙しく働く父親や母親でも実践できるのでは、と好感触でした。

文=吉田有希