アニメ終了でウマ娘ロスでも大丈夫! オリジナルストーリーのコミックス版「ウマ娘」がリアルで深い!!

アニメ・マンガ

2018/6/21

『STARTING GATE!―ウマ娘プリティーダービー―』(S.濃すぎ、Cygame/講談社)

 この春、競走馬の名を冠する美少女たちの作品『ウマ娘 プリティーダービー』がTVアニメとして放送され、大人気となった。“ウマ娘”たちが挫折や失敗を乗り越え、仲間とともに切磋琢磨する熱い展開が話題を呼び、競馬に興味がなかった層を競馬場へ向かわせるなど、現実にも多大な影響を与えた作品だ。

 TVアニメ版の「ウマ娘」は先日最終回を迎えたが、本作品はスマートフォンゲームアプリやコミックスとしても展開されている。こちらはまだまだこれから、といったところだ。そこで本稿では、漫画版である『STARTING GATE!―ウマ娘プリティーダービー―』(S.濃すぎ、Cygame/講談社)の魅力をご紹介したい。

 TVアニメでは、異世界から受け継いだ輝かしい名前と競走能力を持った少女“ウマ娘”たち、そしてトレーナーを中心とした、勝利を目指す物語として描かれていた。しかしコミックス版はTVアニメとは違うオリジナルストーリーで、「トレーナー」は出てこない。物語は、スペシャルウィーク(通称:スぺちゃん)とサイレンススズカ(通称:スズカさん)を中心に進んでいく。

 舞台となっている「トレセン学園」のウマ娘たちは、大人気のエンターテインメントレース<トゥインクル・シリーズ>で活躍したい、という共通の目標を持ち、それぞれの思いを秘めて勝利へ向かって日々走り続けている。そして競技である以上、「勝敗」という分かれ道は訪れる。弱者は弱者として、強者は強者として、それぞれに抱えているものがある。そしてそれは、時にシビアな現実だったりもする。

 トレーナーという立場の違う人間を挟まないためか、アニメよりも深くウマ娘同士の関係や心の動きが描かれており、ややシリアス展開が多い。だがそのことでウマ娘たちのキャラクター性により重みやリアリティを感じることができ、より深くストーリーに入っていける。スペちゃんの明るさの裏にある不安定さ、スズカの持つ負けず嫌いな面、心情なども非常に細かく描写されていて、アニメでウマ娘たちを見守ってきたファンとしてはより愛着がわき、応援したくなる。

 コミックスは、現在3巻まで刊行されており、まだまだ序盤といったところ。これからどんな展開が待ち受けているのか、非常に期待が高まる。また、基本はオリジナル展開だが、アニメと共通した展開もあちこちに見受けられるので、たまに「ここアニメでも観た!」となるのも嬉しい。もちろん、コミックスはコミックスで独立しているので、アニメ未視聴の人でも「オリジナル作品」として十分楽しむことができる。

 最初は“ウマ娘”という設定に衝撃もあったが、今ではすっかり続きが気になってしまっている。今後彼女たちは、どんな物語を見せてくれるのだろうか。

文=月乃雫