「    」、「『ちょっと抱きしめてもらっていいですか?』で始まる物語」…お題に基づく物語投稿サイトmonogatary.comって?

文芸・カルチャー

2018/7/16

 ネット発の物語が注目を集める時代になった。誰でも手軽に「作家」を目指せる時代。そんな時勢を反映してか、世の中にはありとあらゆる小説投稿サービスがあるが、ソニー・ミュージックエンタテイメントが運営する全く新しい形の物語投稿サービスをあなたはご存知だろうか。monogatary.comは、日々更新される「お題」に対してユーザーが自由に物語を投稿していくストーリーエンタテインメントプラットフォーム。創作・ノンフィクション・噂話・一言ネタなど、「お題」に沿って投稿された文章すべてが「物語」であり、多くのユーザーが独自の発想で物語を綴っている。また、投稿された物語に対して、他ユーザーはイラスト・写真などを「表紙」として投稿したり、コメントや感情ボタンでリアクションをしたり、と遊び方もさまざま。

 投稿者も読者もみんなで楽しむことができるmonogatary.com。覗いてみれば、同じ「お題」でも、ユーザーによって実に様々な物語が投稿されていることがわかる。特に、今回は読む者が手に汗握るサスペンスストーリーに絞って、魅力的な作品をご紹介するとしよう。

【お題】「ちょっと抱きしめてもらっていいですか?」で始まる物語

 たとえば「『ちょっと抱きしめてもらっていいですか?』で始まる物語」というお題では、syu氏の『恋の尾行』の恋愛×探偵ストーリーに思わずドキドキさせられる。探偵事務所のスタッフとして働き始めてまだ2ヶ月の畑中は、先輩女性探偵・南條の尾行に初めて同行する。詳細は教えてもらっていないが、とにかく危険な案件のようで…。突然、事件に巻き込まれていく2人にどんな結末が待ち受けているのか…!?

【お題】「それ、それずーっと言って欲しかったの」

「それ、それずーっと言って欲しかったの」というお題では、たけじん氏の『言質』のパニックストーリーが面白い。「こんな星無くなっちまえ」と独り言を言った主人公の目の前に現れた美少女は、実際に地球を破壊しようとする。スタートする地球滅亡へのカウントダウン。地球滅亡のきっかけを作ってしまった主人公はこの事態にどうやって立ち向かっていくのか。

【お題】「最後の嘘」

「最後の嘘」というお題では、花ミズキ重氏の『ATM』が離婚を巡る泥沼展開を鮮やかに描き出す。クズ男、通称・ATMと結婚してしまった主人公は、彼との離婚に向け、着々と準備を進めていく。「結婚は女にとって地獄で 離婚は男にとって地獄だった一例」と著者はコメントしているが、辛い結婚生活を終わらせ、ATMへの恨みを晴らすため、主人公はどんな方法をとるのか。最初は「やり過ぎでは?」と思っていたはずなのに、次第に徹底的にATMを追い詰めようとする主人公を応援している自分に気づかされていく。

 長編ばかりご紹介してきたが、monogatary.comには短編にも魅力的な作品がいっぱいだ。

【お題】「    」

「「    」」というお題では、ぎん氏の『You got a mail』に思わず背筋が凍る。バイトを終え、携帯を確認すると、旧友の彼からの空メールが届いていたというショートショートなのだが、クライマックスの展開に思わずゾッとさせられるのだ。

【お題】「世界一気まずいエレベーター」

 また、「世界一気まずいエレベーター」というお題のしんじ氏の『三つ巴エレベーター』もクライマックスで驚きの展開が待ち受けている。エレベーターに乗っていた主人公が自分以外の3人からナイフやらスタンガンやら拳銃を突きつけられ、脅される物語だが、危機的な状況だというのに主人公はなぜか気まずそうで…。思いもよらない展開に思わずクスッと笑わされる。また、同じお題の、舞殿王子氏の『エレベーターの中で痴話喧嘩が始まったのだが、どうしよう? 』も男女の喧嘩をコミカルに描き出したかと思えば、終盤はシリアスな展開。短い作品でもアイデア次第で読者を惹きつける物語を実現している。

 このようにmonogatary.comでは、あらゆる物語が投稿されている。発想は無限大だ。さらに、夏にはコンテストを実施予定。7月頭~物語をつのって10月上旬に結果を発表するというのだから、あなたも作品を応募してみてはいかがだろうか。小説だけではなく、ゆくゆくは物語をが思いがけない形になるとのことで、あなたの発想が作品化されるのも夢ではない!?

 あなたもぜひmonogatary.comで、好きな「お題」を選んで、物語を投稿してみてほしい。あっと驚かされるような発想の作品をユーザーたちが待ち望んでいる。

文=アサトーミナミ