ドラマ化待ったなし!? 放射線科を舞台にした医療漫画『ラジエーションハウス』 ピュアすぎる恋模様にもキュンキュン

アニメ・マンガ

2018/7/19

『ラジエーションハウス』(横幕智裕:原作、モリタイシ:漫画/集英社)

 グランドジャンプで連載中の漫画『ラジエーションハウス』(横幕智裕:原作、モリタイシ:漫画/集英社)の最新刊6巻が、7月19日に発売されました。

 タイトルの『ラジエーションハウス』とは、放射線科という意味。CTやMRIで病気を撮像する「診療放射線技師」と、画像を読影し、診断を主治医に伝える「放射線科医」が活躍する漫画です。

 物語は、主人公の五十嵐唯織(いがらし・いおり)が、診療放射線技師として、天春(あまかす)病院に中途採用されるところから始まります。

 優れた読影技術を持つ唯織は、患者の病気や怪我の真相をズバリ探り当てるのですが、それは技師ではなく医師の領分であると、周囲から反発を受けてしまいます。

 しかし、真摯に患者に向き合う唯織の姿を見て、放射線科のスタッフたちの心境も少しずつ変化していき……。というストーリー。放射線技師の不足、検診難民など、医療の現場で実際に起きている問題を、赤裸々に描いています。

 純粋に、医療漫画としても楽しめますが、もう一つ、『ラジエーションハウス』にとって大きなテーマがあります。それが唯織と、放射線科医の天春杏(あまかす・あん)のラブストーリーです。

●昔の約束を守るため、医師免許を取り、海外まで行った純情男・唯織

 そもそも唯織が放射線技師になったのは、「私が放射線科医になったら、唯織には放射線技師としてサポートしてほしい」という、幼い頃にした杏との約束を守るため。

 大好きな杏のため、唯織は本当に放射線技師になり、杏のもとへと戻ってくるのです。健気で純情な男なのです。

 ところが同じ病院で働くことになったものの、肝心の杏は唯織のことをまったく覚えていません。それどころか、杏から聞こえてくるのは、「放射線技師なんてマニュアル通りに ただスイッチを押して撮るだけの仕事じゃないですか。誰がやっても一緒ですよ」「放射線科医の診断能力こそが病院の質を決めるんです」という、放射線技師を軽んじる言葉の数々……。

 唯織は、なんとかして杏の力になろうと、精一杯のサポートをするのですが、それも裏目に出てしまいます。自分よりも圧倒的な技術と知識を持っている唯織に、杏は激しい嫉妬を感じてしまうのです。

 それもそのはず、病気に詳しくなれば、より杏の助けになると思った唯織は、なんと医師免許を持つ珍しいタイプの放射線技師だったのです。より病気への理解を深めるため、わざわざ海外で勉強を重ねてきたほどで、杏への想いは相当です。

 大好きなのに、助けてあげたいのに、空回りしてばかりの唯織。杏に振り回されている姿は情けなくも可愛いのですが、患者と向き合う際の凛々しい表情にやられます。

 一方、唯織の実力を認めつつも、素直に助けを求められない杏。病に倒れた前院長でもある父の意志 “放射線科医領域の充実”という理想を実現するため、誰にも弱さを見せることなく、彼女は彼女で医療に向き合い続けているのです。さらにもう一つ、悲しい理由が……。

 この杏の隠された弱さを、唯織は見つけることができるのか? どうなのか!? というのが、この物語の命題の一つでもあるのです。

 5巻では、唯織が自分にとって欠かせない存在であると気づいた杏が、「彼がいれば パパの言っていた理想のラジエーションハウスができるかもしれない…」と、新たな決意を抱きます。恋心とはまた違いますが、確実に近づいていく2人の心。

 しかし、その裏では、唯織の仕事が技師としての範疇を超えていると物申す人物が……!? 最新刊6巻は、放射線科に大きな波乱が訪れそうな予感です。

 医療と恋が一気に楽しめる『ラジエーションハウス』。数年内に実写ドラマ化しそうな気配がプンプンするのですが……どうでしょうか?

文=中村未来(清談社)