今年もあと2カ月!やりたいことを全部やるなら、1週間は金曜日から始めるといい

ビジネス

公開日:2018/11/2

『やりたいことを全部やる!時間術』(臼井由妃/日本経済新聞出版社)

 あなたがやりたいと思ったこと、全部できていますか? ――そう聞かれて、迷いなく「Yes」と答えられる人はそう多くはないだろう。

 仕事でさらなる成果を挙げたい。新たな挑戦や資格取得のための勉強も頑張りたい。新しい出会いがほしい。家族や友人、恋人ともゆっくり時間を共にしたい。知らない土地を旅してみたい。映画を鑑賞したり、前から気になっていた小説も読んだりしたい。それに毎日しっかり7時間以上寝たい…。私たちは、膨大な「やりたいこと」を未消化のままにして、日々を過ごしてはいないだろうか。満たされない虚しさや焦りを頭のどこか片隅に抱えながら、「今は忙しいから仕方がない」と呪文のように自分に言い聞かせてはいないだろうか。

 だが、世の中にはそんな膨大な「やりたいこと」を実現して、もちろんしっかりと寝て、健康で充実した人生を送る人も存在する。有名な社長や起業家や芸能人、もしくは身近にいる誰かでも、思い当たるフシはないだろうか。彼ら、彼女らの日々の過ごし方は一体どんなカラクリに支えられているのだろう。その答えが詰め込まれた書籍、『やりたいことを全部やる!時間術』(臼井由妃/日本経済新聞出版社)を本稿ではご紹介したい。

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■忙しいときに勉強をすると、心のゆとりが生まれる

 経営者として多忙な日々を送る傍らで、行政書士、宅建、栄養士など幅広い資格を取得してきた本書の著者は、「忙しいときに勉強をすると、心のゆとりが生まれます」と語る。

「心を亡くす」と書いて、「忙しい」。普通の感覚で言えば、忙しいときに資格勉強なんか始めたら余計に忙しくなり、さらに窮屈になってしまいそうなものだ。なぜ、多忙なときに勉強をすると心にゆとりが生まれるのか。彼女は以下のように答える。

勉強する=自分のやりたいことに時間を使うことによって、“時間に支配される立場から、時間を支配する立場に変わる”からです。(本書31頁)

「いつか時間ができたらやろう」と先延ばしにして、毎日仕事や家事ばかりに追われていると、それこそ徐々に心を亡くしてしまう。忙しい毎日だからこそやりたいことをやり、「時間に“使われる”ゆとり」を手放して「時間を“使う”ゆとり」を手に入れたい。

■1週間は金曜日から始めなさい。その理由は?

 著者は、「金曜日から1週間を始めるようにしている」そうだ。さらに「1週間は月曜日から水曜日までの3日間しかない」と考えるようにしているという。

 仕事をする平日について、「1週間は月曜日から金曜日までの5日間」と考えると、週の予定を考えるときに、タスクを5で割ってしまう。この思考だと、その週は、やらなければならなかった仕事だけに追われ、つまりは時間に追われるだけで週末を迎えてしまう。

 そのため著者は、月曜日から水曜日までの3日間に、「やらなければならない」もしくは「回収度の高い(=重要であり、締め切りがあり、かけた時間に対して対価が短期的に帰ってくる)」仕事を優先的に詰め込むようにしたそうだ。

 次の木曜日には、3日間分の仕事を検証して仕上げ、次回に活かすための「防御の日」。そして金曜日こそが、「攻撃の日」なのだという。たとえば、販売戦略の立案やマーケティングといった中長期的なこと、普段は忙しくて頭が回らないようなことに取り組む曜日こそが金曜日だと彼女は捉えている。

 本書は、やらなければならないことに追われて疲弊する人を「時間貧乏」と呼び、やりたいことを次々と叶えていく人のことを「時間リッチ」と名付ける。

 生まれた条件によってほとんど決まってしまうような資本は不平等に感じる面もあるかもしれない。しかし、1日が24時間だという事実は全ての人に平等だ。「アタマの使い方」次第で、貧乏にもリッチにもなれるのではないだろうか。時間に追われがちな日々の中で、不完全燃焼感や焦燥感を抱く人に、ぜひおすすめしたい1冊だ。

文=K(稲)