中年男性の頭のなかに「離婚」の文字が浮かぶとき…

恋愛・結婚

2019/1/15

 男性は、あまり「離婚」を考えないと女性たちは思っている。確かに女性より男性のほうが惰性と習慣を愛する傾向はあると思うが、だからといって男が離婚を考えないわけではない。

■ふっとひとりになりたくなる

「家族といると、ふっとひとりになりたくなることがあるんですよね。だからときどきひとりで飲みに行ったりしますが、うちの妻はけっこううるさくて、しょっちゅうどこにいるの、誰といるのと連絡が来るんです」

 コウジさん(39歳)はそう言う。同い年の女性と結婚して8年、7歳のひとり娘がいる。娘はかわいいから離婚したくはない。だが、「ひとりの時間」を許してくれない妻に、最近、息がつまることがある。

「妻はパートで働いていますが、週に3回くらいなので、あとは子どもが学校に行っている時間、ひとりで過ごせるわけです。でも僕にはひとりの時間がない。家庭と職場だけを行ったり来たりしているだけでは味気ない。以前、仕事の関係もあって図書館に通って勉強していた時期があるんですが、そのときも妻は早く帰ってきて家で勉強すればいいじゃないとうるさかった。家ではできないというと、『私たちが邪魔だってこと?』と言い出す。話が極端なんですよね」

 友人には、「愛されてるってことだろ」と言われるが、コウジさんは「自由を認めないのは愛ではない」と思っているそうだ。頭の中に「離婚」の二文字が浮かぶことも少なくない。

■家庭をもっている自分が自分でないような気がする

 家庭に憧れて、結婚願望の強かった男性ならいざしらず、若いときは独身生活を謳歌していた男性だと「家庭をもっている自分が信じられない」と言ったりすることがある。カズヨシさん(46歳)は、結婚して17年たつ今も、「これは架空の生活ではないか」と思う瞬間があるという。

「ずっと独身で生きていくものだと思っていたんです。でもできちゃった結婚をしまして。それは後悔していませんし、今も家族と一緒にいるのは好きです。妻にも特別不満はないし、子どもたちもそれなりに楽しそうに生活しているから、よかったなと思ってる。それでも、ときどき、これが本当に自分の人生なのか、これでいいのかと思うことがあるんですよ」

 男はいつまでも「夢見る部分」を残しているのかもしれない。自分が選択した現実を精一杯生きようとする女性とはどこか違う。

 やり残したことが明確にあるわけはない。過去に執着しているわけでもない。それでも今の自分は何かが違うと違和感をもつ。そんな男性たちの頭の中に、ふと「離婚」の文字が浮かぶことがあるのだろう。

文=citrus ノンフィクションライター 亀山早苗