“楽しい”“おいしそう”で子どもの好奇心が広がる! これから絵本を読ませたい人にもオススメ「しかけえほん」

出産・子育て

公開日:2019/1/22

 ページががばっと上に開くしかけがついた、楽しい絵本を2冊紹介します。絵と文を手がけたのは、絵本作家の新井洋行さん。ご自身も2人の子どもをもつお父さんで、色あざやかでかわいらしい絵に定評があります。筆者も、2歳4ヶ月になる息子といっしょに読んでみました。

■好きなもの、キライなものも探してみよう『ふたをぱかっ』

『あけてびっくり しかけえほん ふたをぱかっ』(KADOKAWA)は、ページを上に開くとお鍋やフライパンのふたがぱかっとあいて、シチューやおでん、ハンバーグなどが飛び出す絵本。本のサイズは小さめですが、しかけを開くと子どもの顔よりも大きなページに。そこからはみ出さんばかりに描かれたおいしそうなご飯に、息子、大興奮!

 ふたをあけると同時にフワ〜ッと立ちのぼる湯気。そこに「ぱりっと じゅわー」「ぷりぷり とろん」などの音が加わって、ゴクリとするほどおいしそう! 手でつかむ仕草をして「あーん」と食べさせてくれる息子が、親バカながらかわいい…。

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 おでんにはいろんな具材が入っています。知っているものは「大根だねえ」と教えてくれるし、知らないものは「これは?」「こっちは?」と質問ぜめに。知っているけど思い出せないものは、「う~ん…」と宙を見上げながらしばらく考えています。見たことがない赤いキノコや車のオモチャが入った“魔女の鍋”もお気に入り。

 子どもの好きなものばかりだけど、ときどき出てくるキライな野菜も「ニラ!」と元気よく。かわいい絵に惹かれて、この絵本ではキライな野菜もお友だち。これをきっかけに野菜も好きになってくれたらいいなあ。

「いないいないばあ」の要領で、ページをぱかぱかと開いていく本作。いないいないばあ遊びは、繰り返すことで記憶力をきたえ、考える力をはぐくんでくれるとか。実際に読んでみると、記憶をたどって知っているものを探したり、言葉を覚えたりする様子を目の当たりに。繰り返すうちに、どんどん“知っているもの”が増えていきました。

■楽しい!の連続で好奇心が広がる『いっせーの ばあ』

 次に紹介するのは『あけてびっくり しかけえほん いっせーの ばあ』(KADOKAWA)。こちらは、がばっとページを開くと、卵からひよこが飛び出したり、小さな穴からチンアナゴがニョキニョキと現れたり、楽しそうなものがページいっぱいに広がります。

 各ページに出てくる「いっせーの……ばあ!」が覚えやすいらしく、自分で読み上げながらページを開いていく息子。パンダ、きりん、ぞう、くまなど、大好きな動物のぬいぐるみが勢ぞろいしたページでは、開いた途端に楽しくなってパチパチと拍手! 他の本ではそうでもないのですが、この本はタイトルを覚えたようで、「いっせーの ばあ、いっせーの ばあ」と言いながら本を持ってくるようになりました。

 ぱかっと開くページにまずおどろき、そこに楽しそうなものを発見してにっこり。うれしそうに指差し確認をしている息子を見て、気づいたら自分までうれしくて笑顔に。自分でしかけを開くからオモチャのような感覚もあって、絵本ビギナーのお子さんも楽しめる気がします。

 子どもって、楽しいことが大好きですよね。楽しく読むことが、学びにつながる。それを実感させてくれる絵本でした。すばらしい吸収力で、ひとつの学びが多くの好奇心へとつながる時期。この絶好のタイミングを逃さず、たくさんの「楽しい」を見つけて、みんなグングン成長しますように!

文=吉田有希