茶色いおかずはご飯が進む!毎日の食卓で活躍する「地味うまおかず」とは?

食・料理

更新日:2019/4/22

『おいしいから、これでよし! 地味うまおかず』(レタスクラブ/KADOKAWA)

 日本人が好きなおかずといえば、やっぱり白いご飯に合う甘辛味のものだろう。照り焼きやしょうゆ味の煮物など、見た目はほぼ茶色で地味だけど、長年愛され続けているおかずはやっぱり食べてほっとする。小さい頃、母親に作ってもらった肉じゃがや筑前煮などは今でも忘れられない味だ。SNS時代におかずの彩りはとても大切だが、本当に食べておいしくなければ意味がない。本書『おいしいから、これでよし! 地味うまおかず』(レタスクラブ/KADOKAWA)では、そんなシンプルで茶色いおかずを「地味うまおかず」として紹介している。

 自身のツイッターやインスタグラムで多くのフォロワーを有する人気料理家・リュウジさんも、地味うまおかずを支持する一人だ。家にいつもある食材、少ない食材で作れるレシピはやっぱり人気があるという。日々のご飯を作る上で、簡単でおいしいことは誰もが望むことなのだろう。彼が紹介するのはボリューム満点でありながらあっという間にできる「和風タルタルチキン」。焼いただけの鶏胸肉に、ポン酢ソースとタルタルソースをダブルでかけるというレシピだ。みんなが大好きなチキン南蛮は鶏肉を一度油で揚げるという手間があるが、焼くだけなら油の処理も必要なくコクがありながらも比較的さっぱりとしたおかずとなる。厚揚げを焼いてニラのタレをかけるものや、日本酒だけを使用するしゃぶしゃぶなど、早速作ってみたいレシピばかりだ。

「流行りものや目新しいものは外食で楽しめばいいから、家での毎日の食事は凝っていなくていい」と話すのは料理家のMAYAさん。日々夫や子どもたちからリクエストが多いのは、鶏の唐揚げやカレー、うどんといった定番料理だそう。ただし、唐揚げは塩味にしたりネギダレを絡めたりしてさまざまなアレンジを加えることも忘れない。家族のために毎日ご飯を作る主婦にとって、みんなが喜んで食べてくれるメニューを選ぶことは大切だ。子どもたちが苦手な魚も、油で揚げることで大好きなメニューになるという。

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 また、自身のブログ「週末の作り置きレシピ」が、ピーク時には月間120万PVを超えることがあるという人気料理家スガさん。仕事が忙しく帰宅が遅い日が続いたため、子どもたちのために週末に作り置きを始めたのが10年前になるそう。自分が「余裕のあるときに作る」ことでおいしい料理が作れるという。食材はあらかじめ漬け汁に漬けておく、副菜は作っておくことで味がなじむなど、ちょっとした工夫でいつものご飯作りが楽になるのだ。見た目は地味でも、栄養バランスが良くおいしく食べることが最優先。乾物や海藻を使用した常備菜も紹介してあるので、忙しくてなかなか料理ができないという人には心強いだろう。

 本書には他にも、てりてりのやわらかポークソテーや照り焼きチキン、しょうが焼き、肉豆腐など、見事に茶色いおかずが多数掲載されている。肉や魚、厚揚げなど素材は違っても、甘辛味のおかずはどれも今すぐに白いご飯と一緒に食べたくなるだろう。ご飯のお供として卵黄のしょう油漬けやれんこん肉そぼろ、しょうが肉みそなどが紹介され、また卵かけご飯にぴったりのトッピングレシピも見逃せない。しょう油とみりん、酒で作る万能ダレを常備しておけば、味付けもこれ一つで決まるからぜひとも活用したいものだ。アレンジを加えると、ハンバーグを玉ネギソースや和風ゴマダレで楽しむこともできる。

 定番おかずはマンネリ化するのでは?と心配になる人もいるかもしれないが、ちょっとアレンジしてナンプラーやオイスターソースなどの調味料を足したり、香味素材を使用したりすることでマンネリ化を防ぐことができるだろう。基本を押さえておけばアレンジは無限大なのだ。料理のレパートリーを増やしたいという人にもおすすめの一冊だ。

文=トキタリコ