今夏、窪田正孝が帰ってくる――人間と喰種(グール)による命をかけた戦いの行く末は

マンガ・アニメ

2019/5/1

『東京喰種トーキョーグール』(石田スイ/集英社)

 今夏、窪田正孝さんが主演した映画『東京喰種 トーキョーグール』の続編『東京喰種 トーキョーグール【S】』が公開される!

 平成から令和へ変わる春の連休は、『東京喰種 トーキョーグール』(石田スイ/集英社)の世界に浸るには絶好の機会だ。映画の予習に1巻から読んでみるのもおすすめである。

 本作に登場する人間を食べて生きる喰種(グール)は、人間の姿をして東京の街で暮らしている。人語を話し、大学生やカフェ店員として潜んでいて、日常生活では人間と喰種の区別はつかない。

 主人公・カネキは、太宰治やフランツ・カフカを好んで読み、親友のヒデとだべって過ごす平凡な大学生だった。しかし喰種の罠にかかって食べられてしまいそうになる。寸前で事故に巻き込まれ、食べられてしまうことは避けられたものの、代償があった。なんとカネキ自身が“喰種”になってしまったのだ。

 以降、かつては食べていた焼き鮭やハンバーグを、体がどうしても受け付けない。カネキは空腹にあえいだ。カフカが、かの有名な小説で書いていたことを思い出す。

「毒虫になった青年は食べ物の嗜好が変わり新鮮な食べ物は口に出来ず腐りかけのチーズなどを好むようになった――」

 街に出てみれば、よだれが止まらない。行き交う人々に食欲が湧いてしまう。ようやく食べられるもののにおいを嗅いでたどり着いた先は、喰種が人間を食べている路地裏だった。カネキは薄々感づいていた自分の変化を確信し、絶望した。

 そう、喰種は人間しか食べられないのだ。

 人間も喰種も、放っておけば等しく腹が減る――。

 だからこそ人間と喰種は衝突する。人間はもちろん、食べられたくない。一方の喰種は、人間しか食べられない。生きるためには食べるしかない。

 喰種だって、望んで喰種に生まれてきたわけではない。喰種は人間にとって脅威だが、ただ単に暴力的な存在というわけでもない。それぞれの喰種に葛藤や決意があり、魅力的なキャラクターとして描かれている。ここに、アクション漫画の域にとどまらない本書の深みがあるのだ。

 表紙に描かれているように、カネキの左目は喰種の赤いそれとなり、右目は人間のままだ。ときに親友のヒデすらをも食べようとしてしまう自分自身に、カネキは恐れを抱き、戸惑いながらも、仲間とともに突き進んでいく。

“生きたいって思って何が悪い”

“人しか食えないんだよ”

 喰種が叫ぶ言葉には考えさせられる。

 第一部となる『東京喰種 トーキョーグール』は全14巻、そして第二部である『東京喰種 トーキョーグール:re』は全16巻。映画を観ようと思っている人は、この連休中に予習をしておこう!

文=えんどうこうた

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