2期放送直前ファネッフー!『ハイスコアガール』、コミック&アニメの魅力を解き明かす!

マンガ・アニメ

2019/10/11

10月4日(金)25:05より、TOKYO MXほかにてアニメ『ハイスコアガール』ROUND 13~15 TV初放送
10月25日(金)25:05より毎週金曜、TOKYO MXほかにてROUND16~放送

90年代のゲームセンターで起きた奇跡のボーイ・ミーツ・ガール

 観るたびに、どこか懐かしくて、なぜか切なくて、いつしか胸が熱くなる。ゲームブームの渦中で起きた奇跡のラブストーリー。ゲーム世代の『ロミオとジュリエット』。それが『ハイスコアガール』だ。

 物語の舞台は、90年代のディープ・スポット川崎(溝の口)。当時はゲームブーム華やかなりし時代。ゲームセンターでは『ストリートファイターⅡ』などの対戦格闘ゲームが人気を集めており、80年代に流行ったアーケードゲームが払い下げられて、駄菓子屋や玩具店などに置かれたりもしていた。また、家庭にはファミリーコンピュータなどのゲーム機が普及し始め、ゲームが急激に身近なものになりつつあった。つまり、当時の子どもたちにとっては、ゲームの中でスーパーヒーローになることができ、アクションスターになることができ、宇宙の救世主になれる、たまらない時代だったのだ。当時の子どもたちは毎日、学校が終わると、コインを握りしめゲーム機がある場所に走っていった。『ダライアスII』『ぷよぷよ』『バーチャファイター』……。帰宅時間になるまで、誰もがそのゲームの世界に耽溺していたのである。

 だが、そんな「夢」には、厳しい「現実」が立ちはだかるものだ。

 当時のゲームセンターは不良のたまり場と呼ばれ、ヤニ臭く(いまのように嫌煙権が普及していなかった)、お金がかかり、ゲームは子どもにおって教育上に良くないものと言われがちだった。そのせいか、現実にはゲーム好きを表立って公言する女子はほとんどいなかったのだ。もちろん、家にファミコンを持っている女子は少なくなかっただろうし、ゲームセンターでゲームを遊んでいた女子もいただろう。しかし、ゲームセンターに入り浸っているような男子にとって、そこで女子と遭遇することは極めて珍しかった。ましてや、そこから男子と女子が仲良くなるなんて、夢にも思えなかったのである。

 それでもなお、ゲームをきっかけに女子と出会いたい! そしてゲームに打ち込む自分を女子に好きになってもらいたい! そんな願いを抱いている男子は少なくなかった。著者の押切蓮介もそんな想いを抱いていたゲーム好き男子のひとり。90年代のゲーム男子が抱いていた妄想を、ボーイ・ミーツ・ガールのラブストーリーとして描いた作品こそが『ハイスコアガール』なのである。

 ゲームの腕前に自信があり、いつもゲームのことしか考えていない、矢口春雄(ハルオ)は、ゲームセンターで対戦ゲームをひとりで勝ち抜く大野晶と出会う。彼女はゲームの達人でありながら、学校では美少女で無口でお嬢様という高嶺の花だった。そんなふたりが、ゲームセンターでライバルとして戦い、お互いをだんだんと意識し始める。ボーイ・ミーツ・ガールの王道を突っ走りつつも、彼らの進む道はイバラの道。ふたりの間にはいくつもの障害が立ちはだかる。大野さんのお嬢様の家柄、突然の留学、家庭教師の出現、そして小春の登場……。小春はハルオと出会ったことで、ゲームの面白さに目覚める女子。彼女はハルオにいつしか想いを寄せ、大野さんの存在に気づき始める。

 ハルオと大野さんはすれ違い、ぶつかり、壁に阻まれながら自分の気持ちに少しずつ気づいていく。ふたりの関係はだんだん『ロミオとジュリエット』のようなスリリングな展開になっていくのだ。

泣ける3DCG作品としてのアニメ『ハイスコアガール』

 その押切による原作漫画を120%の濃縮還元した意欲作が、TVアニメ『ハイスコアガール』である。本編中に登場するゲームは、どれも本物。アニメの中で、ハルオと大野さんは『ストリートファイターⅡ』で対戦し、『スプラッタ―ハウス』や『ファイナルファイト』や『魔界村』を一緒にプレイする。それぞれゲームのプレイも、キャラクターやストーリーに沿ったものになっているため、ゲームのプレイでふたりの心情が描かれていくのである。

 見どころはゲームの描写だけではない。本作は、フル3DCG作品なのだが、ハルオや大野さんの表情が実に活き活きと描かれているのだ。押切蓮介の頭身の低い、漫画タッチな絵柄を再現しつつ、3DCG作品らしい大胆なカメラワークと、テンポの良いカット割りで、ふたりのラブコメをコミカルに描いていく。激しいギャグに笑いつつ、気がつけばふたりのラブに引き込まれている。そんな作品になっているのだ。

 最初はハルオのライバルとして登場した、闘争心をむきだしにした獣のような大野さんが、ともにひとつのゲームで協力したり、対戦したりすることでだんだんかわいらしく見えてくる。無口で無愛想なのに、巧みな芝居と表情付け、そしてゲームのプレイを通じて、彼女の気持ちが伝わってくるのだ。

 2018年7月からオンエアされた第1期ROUND1~ROUND12(第1話~第12話)と、その後Netflixで配信&ビデオ発売された、ROUND13~ROUND15(第13話~第15話)は発表後、SNSを中心に絶賛の嵐を生んだ。その中には「懐かしい」「当時を思い出す」という意見だけでなく、「泣ける」「エモい」といった、ふたりのドラマに引き込まれた意見も多かった。『ハイスコアガール』は泣ける3DCGラブコメアニメとして注目を集めたのである。

ゲームを通じて語られる、ふたりの恋の決着

 さて、そんなTVアニメ『ハイスコアガール』の待望の第2期が、10月からいよいよオンエアされる。原作はすでに完結しているが、第2期ではその最終話までをあますことなくアニメ化する予定だという。

 第1期ではふたりの小学生から中学生、高校生へと成長していく姿を描いていた。ときに近づき、ときに離ればなれになった、ふたりを常につないだもの――それはやはりゲームだった。

 ゲームは多弁だ。

 100の言葉を尽くすよりも、ゲームのプレイのほうが本音を伝えることがある。

 第2期では高校生になったふたりが、ゲームを通じて、その想いに決着をつけることになる。

 きっと今回も、3DCGで描かれるふたりの恋にやきもきさせられ、ドキドキさせられるのだろう。

文=志田英邦

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