猫飼い10年目のライターも初耳! 猫の最新知識と本音満載の『ねこほん』とは?

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公開日:2020/10/8

ねこほん 猫のほんねがわかる本
『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(今泉忠明:監修、卵山玉子:マンガ/西東社)

 猫の本音、知りたいですよね? というか猫は謎だらけ…それらがわかるかもしれない1冊が『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(今泉忠明:監修、卵山玉子:マンガ/西東社)なのだ。

 猫飼い(猫と暮らす人のこと)たちは、それぞれ「うちの子はこうだからかわいい、猫ってこうなんだよ」とか言いあいがち(それも楽しいのだけど)。その論争に決着をつけるかもしれないのが本書なのだ。

『うちの猫がまた変なことしてる。』(KADOKAWA)の作者でもちろん猫大好きな卵山玉子さんのマンガと、「ざんねんないきもの事典」シリーズ(高橋書店)など多くの著書・監修書のある動物学者・今泉忠明さんによる監修で、今までにない『ねこほん』ができあがった。

 ちなみに本稿のライターも2021年には猫飼いとして10年になる。読後の感想としては、正直、猫と暮らす皆におすすめしたい、早く猫を飼っている友人に、「ねえ、知ってる?」とか話したい! と心底思ってしまった。なんと「人が猫を愛する理由」まで書いてあるからだ…(笑)。

飼い主もびっくり! ねこのほんねは人に置き換えると…

 内容は猫を飼う夫婦のマンガを軸に「猫についての100のギモン」をQ&A方式で紹介するというもの。最新研究に基づく解説は、ベテランの猫飼いであっても目からウロコが落ちまくるかもしれない。「なんであんなに念入りに毛づくろいをするの?」や「トイレのあと、砂のない場所をかいているんだけど…」「オスは女性、メスは男性のほうが好きなの?」なんて質問は、しっかり理論的に説明されることで腑に落ちるはずだ。さて今回はいくつか実際のQ&Aを紹介してみる。

★そもそも猫は猫ではない?

 まずはこれから…。

「猫は自分のことを人間と思ってるんじゃ?」※p.32

ねこほん 猫のほんねがわかる本 p.32-33

 あなたは体を伸ばして寝転がったり、あぐらをかいたりする猫を1度はみたことがあるのではないだろうか? この猫「中の人」がいるのでは、なんて妄想もふくらむが…正解は「猫は人間と猫を区別しておらず人間のことを大きな猫だと思っているらしい」のだ。犬は犬自身を相手にするときと人間と遊ぶときで接し方が異なるが、猫は体をこすりつけたり、なでられたら舐めてきたり人でも同族でも同じように接してくる。ようするに区別をしていない、のである。これは猫好きならなんとなくわかっていたかもしれない。ちなみにだらしない姿勢をとるのは、警戒心がまったくなく自宅(自分のスペース)でリラックスしているということ、いやそれ完全に人間では…笑。

★ピチピチよりも熟女がモテる?

 ここで猫の恋についての質問をみてみよう。

「猫の恋はメスのハーレム状態なの?」※p.114

ねこほん 猫のほんねがわかる本 p.114-115

 発情期の猫たちの鳴き声は夜な夜な街中を騒がせる。家で飼う猫たちも反応するほどだ。

 実は発情期のメスから発せられる性フェロモンは強力で、数百メートル先まで届き、遠くのオス猫も呼び寄せるのだとか。ちなみに猫はある程度年齢を重ねた個体のほうがモテるらしい。育児経験があると子孫を残せる可能性が高いからだという。

★ついついモフモフと顔をくっつけたりした、その後は…

 なですぎたり、時には顔をモフモフ毛にうずめたり、猫飼いがついついやる行動だ。

「私がなでた場所をあとから舌でなめてるけど、なでられたくなかったの?」※p.155

ねこほん 猫のほんねがわかる本 p.155

 実は猫にとってベストなのは「自分と飼い主のにおいが適度に混ざったにおい」。だから触れられたところをなめて自分のにおいをつけ足しているのだとか。「飼い主のにおいは好かれている」というわけで安心してほしい。ちなみに人間もパートナーのにおいに相性があると言われている。好きな人の匂いを心地よく感じるのはこのためだろう。

★猫は色によって性格が違うの?

 複数飼いをしている人は気になるかもしれない疑問だ。

「黒猫が好きです。黒猫特有の性格はある?」※p.170

ねこほん 猫のほんねがわかる本 p.170

 毛色と性格の関連は完全には未解明だが、まったく関係がないとは言い切れないそうだ。なぜなら毛色の元になるメラニンは神経伝達物質であるドーパミンと同じ経路で作られているからだ。なおメラニンと性格の関係は人間でも調査されている。海外の調査ではメラニンが多い黒や茶色の瞳をもつ人はおおらかで、競争心が少ない性格が多いという結果で、逆にメラニンが少ない人は内気で慎重とも。ちなみに本稿のライターは色黒で、よくおおらか、というか大ざっぱと言われる…。

気分屋だし勝手気ままなヤツら…私たちはなんでこんなに好きなのか

「ねこのほんね」は、もちろん本当のところはわからない。研究結果があるだけだ。猫の言葉が翻訳される未来は楽しそうだが…。

 さて私たちがなぜ猫を好きなのか、それは本書を読めば理解できるので全部説明はしないが、そのうちひとつを紹介する。猫がのどを鳴らすゴロゴロ音、特に何か要求するときの音は、英国の研究発表によれば「通常より高い周波数で人間の赤ちゃんの泣き声と同等。聞くと要求を聞かなくては、という気持ちになる」のだそうだ。そりゃ放っておけないよな…。

 今泉先生によれば、猫好きな人は、猫の「勝手気ままで人に従わない」ところに魅力を感じるとのこと。さらに先生は米国で4000人以上を対象に行った性格テストについて言及している。

猫好きな人は犬好きの人より内向的でやや神経質という結果が出ました。なんとなく猫そのものの性格と重なりますね。

人間は自分に似た性質のペットを好むのではないかと推測ができます。
ちなみに英国の調査では浮気しやすいのは猫好き。犬好きより誠実性が少なく、規則を守らない傾向にあると出ています。

 そうなのか…猫好きは気まぐれで移り気だから彼らを好きなのか…。なら猫を飼っているあいつは? 猫好きの彼女は? などと考えてみるのも楽しいかもしれない。

 とはいえ、もはや飼っているというより、逆に仕えているような気もする私たち…。毛にまみれる幸せな日々の傍らに、本書はぜひおすすめだ。

文=古林恭