部屋着のまま寝るのはNG? 知っているようで知らなかった睡眠環境の整え方

健康・美容

公開日:2021/3/4

睡眠は1分で深くなる!
『睡眠は1分で深くなる!』(大郷卓也/自由国民社)

 どれほど寝ても疲れが取れない…。何かとストレスにさらされやすい現代では、睡眠の質に悩む人たちも少なくないはずだ。

 明治時代から続く創業100年超の老舗寝具店「ねむり家」の店主であり、健康睡眠アドバイザーとして全国を飛び回る著者の『睡眠は1分で深くなる!』(大郷卓也/自由国民社)は、熟睡するための「寝姿勢」「呼吸」「生活」「寝具」のコツを解説しており、眠りに悩む人たちを支える1冊。ぐっすり眠るためには「寝床に入るのが楽しみになるような睡眠環境づくり」が欠かせないという。

しっかりした枕選びで体の負担を減らす

 本書では、自分にふさわしい寝具選びのコツを紹介している。まずは、枕選びのポイントからみていこう。

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 ズバリ、枕を選ぶポイントは「高さと硬さ」にある。高さは「あごの下の皮膚にしわができず、つっぱらない」程度が理想。寝具店によっては、首の高さを計測してオーダーメードすることもあるが、枕の高さは敷布団の硬さの影響も受けるので、寝具売り場で試す場合には注意も必要だという。家の敷布団が硬めであれば「測定した高さよりもやや低め」を、柔らかい場合には「やや高め」を選ぶようにするのがよい。

睡眠は1分で深くなる!

 一方の硬さは「やや硬めのもの」を選ぶのがおすすめだ。心地よさから柔らかい枕を選んでしまいそうだが、睡眠中に寝返りが打ちづらくなり、体の節々に痛みを感じる原因となりうる。やや硬めの方が適度に寝返りを打てるので、体の一部に負担がかかる可能性も減り、快適な睡眠環境を作れるという。

掛布団は「天然素材」のものがベスト

 睡眠の質を向上させるには、布団選びも重要になる。本書によれば、体を預ける敷布団は「筋肉と同じくらいの柔らかさ」がベストだ。寝具売り場では、実際に体と敷布団の間に手を入れてみて「スッと容易に手が入り込まない程度の柔らかさ」を目安にするのがよい。

睡眠は1分で深くなる!

 一方、体を包む掛布団は「吸水性と通気性に優れた天然素材」が理想。ただ、季節により使い分ける必要もある。暑い夏場は「清涼感の麻や綿」を、寒い冬場は「軽くて保湿性の高い羽毛布団」を用意しておくのがベストで、いずれも、天気のよい日はきちんと天日で干して、干せないときは布団乾燥機を使うなど、こまめなメンテナンスも必要だ。

部屋着ではなくパジャマを用意

 枕や布団を揃えるだけではなく、もうひとつ、忘れてならないのは「寝巻」だ。本書がおすすめするのは、掛布団と同じように「綿やシルクなどの天然素材」を使ったパジャマを着て寝ること。また、寝巻についてはいくつかの注意点もある。

 まず、トレーナーやTシャツなど、部屋着のままで寝るのはできれば避けた方がいい。じつは、パジャマに着替えるという習慣には「体内時計を整える」という役割もある。ふだんと異なる格好で寝ること自体を、体が「入眠儀式」として記憶するため、睡眠の質の向上へとつながる。

睡眠は1分で深くなる!

 また、寒い時期に靴下を履いたり、湯たんぽや電気毛布といったグッズを使うのもNGだという。冷え性の人にとってはどうしてもすがりたくなる便利グッズばかりだが、無理に体を温めようとすると安眠しづらくなる可能性もある。そのため「天然素材の寝具とパジャマ」を使い、自然な睡眠環境を整える必要があるという。

 寝ても疲れが取れないというのは、逃げ場がなくなるようでしんどいもの。自分にピッタリの寝具を準備して、睡眠環境を改善してみよう。

文=カネコシュウヘイ