ノラネコぐんだん、今度こそ大ピンチ!? 黄金の冒険譚にどきどきドッカーン!

文芸・カルチャー

公開日:2021/3/10

ノラネコぐんだんと金色の魔法使い
『ノラネコぐんだんと金色の魔法使い』(工藤ノリコ/白泉社)

 もはや語るまでもないほどにおなじみのノラネコぐんだん。絵本ではワンワンちゃんたちを毎度困らせている黄色のワルたちですが、いつだってノラネコぐんだんを動かしているのは、好奇心と冒険への憧れ。汽車に飛行機、宇宙船――飛び出す先にはいつだって、ゆかいでスリリングな冒険が待ち受けています。

 そんな、ノラネコぐんだんの冒険のおはなしを存分に堪能できるのが、長編物語シリーズです。『ノラネコぐんだんと海の果ての怪物』(白泉社)に続く、長編第2弾が『ノラネコぐんだんと金色の魔法使い』です。

 前作で、“海の果ての怪物”をめぐる大冒険を繰り広げたノラネコぐんだんは、新たな旅を続けていました。

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《レビュー》『ノラネコぐんだんと海の果ての怪物』

『ノラネコぐんだんと金色の魔法使い』より

 ニャンだかんだあって旅の資金は潤沢だったのに、明日のことより今の楽しさを優先してしまうノラネコぐんだんは、朝昼晩と贅沢な食事を続け、気づけば一文無しになってしまいます。

 ハラペコで倒れそうなノラネコぐんだんですが、お店に忍び込んで食べ物を奪ったりしません。冒険者としての彼らは「とてもまじめ」なのです。

「ニャー、たいへんだ! どこかで仕事を見つけないと、飢え死にするぞ」

 仕事を求めて歩き続けたノラネコぐんだんがたどり着いたのは――ねずみの国でした。ネコはねずみの天敵……まさか、ねずみの国でノラネコぐんだんが大暴れしてしまうのか!?

「ニャー、われわれは旅人で、あやしい者ではありません。魚が大好きで、ねずみは食べませんし、食べたこともありません」

 なんとか入国を果たしたノラネコぐんだんでしたが、ねずみの国は悲しみに沈んでいました。

 ノラネコぐんだんは、ねずみの王さまから、ねずみの国で起きている「悲しくて恐ろしい事件」のことを聞かされ、「情報があったら知らせる」と約束します。

 荒れた土地で、とても貧しい国だというのに、精一杯のおもてなしをし、8つの袋にいっぱいのパンを詰めてくれた、ねずみの王さまの気持ちをノラネコぐんだんは受け止めました。

 思いのこもったパンを食べながら旅を続けるノラネコぐんだんは、優しさを分け合いながら進み、やがて山奥の大きな館へとたどり着きます。

 8匹もの大所帯で、いきなりやってきたにも関わらず、館の主である紳士はノラネコぐんだんを快く受け入れてくれます。腹も満たされ、館での「仕事」も得たノラネコぐんだんはまじめに働き始めるのですが……。

 街のひとたちが噂する「人喰い鬼」、ねずみ国の事件、「特別なごちそう」――冒険の旅で出会う人々や出来事は、驚きと感動のクライマックスへと続いていきます。

 そして「金色の魔法使い」とは、いったい何者なのか?

 ノラネコぐんだん史上、最大にして最悪の絶体絶命の危機! 勝利のカギは、優しさと感謝のココロ。さあゆけ、われらのノラネコぐんだん!

 最高のサスペンスとスペクタクル、感動と興奮の物語が、小さな読者を……そしてあなたを待ち受けています。“劇場版ノラネコぐんだん”と表しても過言ではない長編物語第2弾は……ニャー、必読です!

文=水陶マコト