実写化熱望! 臨場感、迫力満点の恩田陸版『ガラスの仮面』

小説・エッセイ

2012/8/10

チョコレートコスモス

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:恩田陸 価格:819円

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久しぶりに読み直してみて、「なぜこの作品がまだ実写化していないのか!」と地団駄を踏んでしまいました。
伝説の映画プロデューサーによる「女二人芝居」の異色のオーディション。サラブレッドの天才とその従妹、才能の片鱗を見せるアイドルに天然素材の素人、貫録たっぷりに大御所……出演の座をかけた女たちの熱いバトルにもう、興奮して鼻血が吹き出そうです。

普段小説を読んでいて、「これ実写で見たいなー」なんて思うことはあまりないんですけどね(実写化されたのを見て、よかったなあと思うことはあれど)。しかしこれについて言えば、選りすぐりの女優たちで繰り広げられる演技バトルを生で見たい! 天然素人の飛鳥役はぜひ、多部未華子ちゃんに!などと前のめりになって切望しております。
あらすじは冒頭に書いたとおりの、女優たちの演技バトル。

主人公のひとりは、幼いころから自然と演劇の世界に足を踏み入れ、才能にも恵まれた若き女優、東響子。ただしサラブレッドという環境ゆえに、演技を渇望する、ということのないまま、若干の迷いが生じているお年頃。
当然声がかかるものと思っていた、噂のオーディションからはずされて、アイドルあがりの女優やめきめき実力をつけはじめたいとこたちが参加する、という状況から彼女の心に火がつき、さらなる扉をひらくことになるのです。

が、視点は響子ひとりというわけではありません。学生劇団で才能を見出された、経験のない素人の飛鳥や、その飛鳥にいちはやく目をつけていた脚本家の神谷、飛鳥を見守る先輩の巽など、それぞれの環境と思惑が交錯していき臨場感をあおって迫力を増していくその筆致は、さすが恩田陸、これぞエンタメというべきもの。その演技バトルを目の前に自然と思い浮かべ、興奮のうちに一気に駆け抜けてしまいます。

ああ……お願いですからどなたか実写化してください。小説と映像(あるいは舞台)、それぞれの楽しみ方がきっとできるはず。と発売してから数年、願ってやまないのでした。


舞台で奇妙な存在感を放つ、素人学生の飛鳥

同じ舞台に立ち響子は、あおいにアイドル以上の実力を感じます

いとこの葉月に、噂のオーディションの話を聞いて……

響子の心の奥に眠っていた、演劇への渇望に火がつく瞬間は読んでいて大興奮