「この頭痛は危険?」と不安になるまえに読んでおきたい、健康リテラシーが上がる1冊

健康・美容

更新日:2021/11/15

ドクターハッシーの「不調の味方」
『ドクターハッシーの「不調の味方」』(橋本将吉/主婦の友社)

 YouTubeで一般の人に向けた医学健康情報を発信し、チャンネル登録者数が40万人(2021年11月現在)を超す人気の医師ユーチューバーがいるのはご存知だろうか。「ドクターハッシー」こと、橋本将吉氏だ。現役の内科・総合診療医で、訪問診療を行う一方で、医学生に特化した個別指導塾を立ち上げるなど医学教育にも注力している。ハッシー先生は、内科外来で患者さんと接した経験から、一般の人たちの健康リテラシーを底上げすることの重要性を痛感し、医学の難しい話をYouTubeでわかりやすく楽しく解説しているのだ。『ドクターハッシーの「不調の味方」』(主婦の友社)は、その動画コンテンツを本にまとめたものだ。

 本書は、外来で患者さんがよく口にする疑問や質問から構成。さまざまな病気の原因や症状とその対処法が、動画でのハッシー先生の語り口調もそのままに、かみくだいてわかりやすく書かれている。

 たとえば「頭痛」の項目は、
「頭痛が起きるたびに怖いんです」
「頭痛はいつものことだからとあきらめているけれど‥」
「つらい片頭痛、なんとかなりませんか?」
「原因とかどうでもいいから、頭痛にならない方法はないか?」
というふうに、患者さんあるあるの4項目で構成。

「それ、私も知りたかったことだ!」と、日ごろ感じている疑問から入っていけるのも、読みやすい理由のひとつだ。

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ドクターハッシーの「不調の味方」

ドクターハッシーの「不調の味方」

ドクターハッシーの「不調の味方」

「頭痛が怖い」というページでは、医師が実際に使っている「危険な頭痛を見分ける9つのチェックリスト」と、このチェックリストをドクターハッシー流に整理した「危険な頭痛と判断する4つのポイント」を紹介。危険な「ヤバい頭痛」をあらかじめ知っておけば、やみくもに怖がらずにすむし、もし脳出血や脳梗塞など重篤な危険がひそんでいる「ヤバい頭痛」の可能性がある場合は、すぐに救急車を呼ぶ、周囲の人に報告して病院に向かうなど適切な対応を迷うことなくできるだろう。

お医者さんとのコミュ力がつく!

 病院で診察を受けたときに、わからないことや知りたいことがあっても、「お医者さんには聞きづらいから、黙っていた」という経験はないだろうか? そうした遠慮も、本書を読むことで解決するだろう。

 医学の基本的な知識が身について、自分の体のことがわかってくると、「お医者さんの考え方がわかった!」「主治医が怒っていた理由はやさしさからだったと気づいた」など、医師の話が理解できるようになり、コミュニケーション力がアップする。

 人生100年時代の今、病気のことは医者任せ、では心もとない。いつまでも健康に過ごすためにも、医学の基本的な知識を身につけておけば、自分だけでなく家族のいざという時に役立つ。本書は、1ページ目から読み始めても、索引で気になる症状から読んでもOKで、まさにドクターハッシーによる現代版「家庭の医学」と言えよう。一家に1冊あると安心だ。
(電子書籍版には動画でも人気が高いダイエットの項目もあり)

著者プロフィール
橋本将吉(はしもと・まさよし)
東京むさしのクリニック院長(内科・総合診療医)。株式会社リーフェ代表取締役。1986年生まれ。杏林大学医学部医学科卒。大学在学中に会社を設立、医学生に特化した個別指導塾「医学生道場」を立ち上げる。現役医師によるマンツーマン指導の学習カリキュラムが好評で、現在、都内に4カ所、大阪と名古屋に校舎を構え、医学教育に注力している。一方、内科・総合診療医として訪問診療を行う。さらに、YouTuberとして病気や症状の原因や治療法、健康法やダイエット法などの情報を発信。一般の人に向けた医学教育を行っている。

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