「一汁三菜呪縛」や「洗濯物は畳まなきゃ呪縛」…「○○しなくちゃ!」の呪縛をとくノートをつければ暮らしがもっとラクになる!

暮らし

公開日:2021/12/21

家事の呪縛をとくノート
『家事の呪縛をとくノート』(心地よい暮らし研究会:監修、石川理恵:編集/主婦の友社)

 ことしも年末の大掃除の季節がやってきた。いつの間にかたまったホコリや、片付いていない部屋を見て、なんで普段からもっときれいにしておかなかったんだろう…とため息をついている人も多いのではないだろうか。

 忙しい日々を送っていれば、家事がおざなりになるのは当然あること。なのにイライラしたり、モヤモヤしたり、「自分はだめだ」とネガティブな気持ちになったり…。そんな人は知らないうちに、「家事の呪縛」にがんじがらめになってしまっているかもしれない。

 子供には手作りの料理を食べさせなくちゃ。
 素敵な友人宅のように、わが家もきれいにしておかなくちゃ。

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 こうやって自分で掲げた理想や固定観念に、自分自身が縛られて動けなくなることは実は誰にでもあることなのだが、当の本人は自分が呪縛にとらわれていることに意外と気づきにくい。そこで、『家事の呪縛をとくノート』(心地よい暮らし研究会:監修、石川理恵:編集/主婦の友社)を使って今の生活を振り返ってみてほしい。きっと今感じているイライラやモヤモヤした気持ちをうまく整理できるようになる。

まずは家事のストレスを書き出してみよう! 自分を知ると呪縛が見えてくる

 こちらは本書の冒頭に掲載されている座談会の1コマ。

家事の呪縛をとくノート P8-9

 おかずは3品以上つくらなくっちゃ! という「一汁三菜呪縛」。仕事をしていないんだから家事はしっかりやらなくちゃという「専業主婦呪縛」。共働きだから家事は夫婦できっちりと分担しないと…という「家事シェア呪縛」。「わかる~!!」と大きく共感できる呪縛もあるんじゃないだろうか?

 そんな呪縛にとらわれてしまうと、できなかったときにイライラしたり、大きく落ち込んだり…。でもこれ、誰かに強制的にやれといわれたわけでも、絶対にやらなきゃならない理由があるわけでもないことが多いのだ。

 そこで呪縛をとくための、ステップ1。まずは自分を知り、自身と向き合うこと。例えば自分の抱えている家事を、本書に掲載されている「家事の見える化ワーク」を使ってざっくりと可視化してみる。

家事の呪縛をとくノート P22-23

 こうやって普段なんとなくやっている家事を書き出してみると、「私って毎日こんなに家事をやってたんだ」と気づくことができる。もちろんこのシートに書ききれないような小さな作業だってたくさんある。これを全部100点目指して頑張っていたら、心も疲れて当然だ。

 日常の家事でモヤモヤしたり、イライラしたことは「家事のストレス観察ワーク」に記入。細かいストレスもそのままにせずに書き出すことで、自分がどんな呪縛にとらわれているかがだんだん見えてくる。

家事の呪縛をとくノート P16-17

 本書はこんな風に一部が書き込み式になっている。自分の心の中にあるものを整理するにはまず、書き出してみる。文字に起こして自分の状況を客観的にとらえると、改善点が見つけやすいのだ。

“家事ラクアイデア”を取り入れて、呪縛から解放!

 自分がとらわれている家事の呪縛を見つけたら、次のステップへ。ステップ2は、呪縛から解放される具体的な手段を見つけること。小さな思い込みはちょっとしたひと工夫で「ラクになった!」と実感できることも多い。本書に掲載されているラクに家事がこなせるようになるためのアイデアを、少し紹介しよう。

 いつも家の中が散らかっている…という悩みは、「物の置き場所ここじゃなきゃ! 呪縛」をとき放つと、解決するかもしれない。家族の動線に合わせて収納場所を変えるだけで、家族それぞれが片付けやすくなり、出しっぱなしが減ったりする。

家事の呪縛をとくノート P36-37

「休みの日は掃除しなくちゃ! 呪縛」も、普段の生活の中でついで掃除やながら掃除で乗り切ればOK。玄関に行ったついでにワイパーをかける、お風呂上がりに掃除をしてしまう、などなど、家事のTODOリストを減らすだけで気持ちは一気に軽くなる!

家事の呪縛をとくノート P58-59

家事の呪縛をとくノート P60-61

 ほかにも、洗濯物を畳まずにすむアイデアや献立を立てるコツなど、呪縛から逃れて家事をラクに乗り切るための情報をたっぷりと教えてくれる。まずは自分の生活に取り入れられるものから真似してみて、「ラクになった!」と実感できると、ほかの家事でもラクになるための手段を自分から探せるようになり、どんどん好循環になっていくという。

 家事の呪縛の怖いところは、「好きな家事、やりたい家事にこそ呪縛が隠れている」という点。まずはとらわれている呪縛に自分自身で気づくことが、呪縛をとく第一歩。年末の大掃除をきっかけに、自分の生活を客観的に見つめ直せば、狭くなっていた視野が一気に広がるかもしれない。

文=齋藤久美子

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