「こころが変わる体のケア」「仕事の場面で使えるケア」…メンタルのプチ不調から身を守る、おうちでできるシンプルなケア

暮らし

公開日:2021/12/14

おうちメンタルケア入門 不安をそっと手放す方法
『おうちメンタルケア入門 不安をそっと手放す方法』(ベスリクリニック:監修/主婦の友社)

 苦手な人にふりまわされて調子が狂ったり、頑張ったつもりが空回りしてしまったり、はたまた忙しすぎてイライラがとまらなかったり…心の中では「ごきげんで毎日を気持ちよく過ごしたい」と思っているのに、なかなかうまくいかないことは多いもの。ぱっと気分が変えられるのが理想だが、中には小さなマイナス気分をそのままひきずり、プチ不調状態が慢性化している人もいるのではないだろうか。もしも、そのまま「うつ」になってしまったら一大事。そうなる前に、「自分でできるメンタルケア」をためしてみてはどうだろう。『おうちメンタルケア入門 不安をそっと手放す方法』(ベスリクリニック:監修/主婦の友社)は、すぐにはじめられるメンタルケアのアイディアがぎっしりつまった1冊だ。

「多くの情報にさらされ、競争を強いられる社会を生きる現役世代が、いつも安心してのんびり生きることは、不可能に近いといえます。不安に押しつぶされそうになったとき、みずからを守る方法を知っていたら、それはなによりも、あなたの助けになります」と本書。その人が直面している不調の直接的な原因をすぐに解決することは難しくても(人間関係、職場の問題などいろいろあるだろう)、まず誰にとっても大事なのは「土台となる安心」を取り戻すことなのだという。

 実は身の危険を察知して「恐怖」や「不安」という感情を生み出すのは脳の「扁桃体」の働きであり、メンタル不調はその扁桃体が過剰反応している状態。その過剰反応を鎮めるのに最も効果的なのが「安心」という感情。そのため本書で紹介する「おうちメンタルケア」は、まさにその「安心を取り戻すためのケア」なのだという。

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「こころが変わる体のケア」「試してみたいこころにはたらきかけるケア」「ストレスを感じたときにすぐにできるケア」「仕事の場面で使えるケア」…本書で紹介しているケアにはさまざまなものがある。たとえば人はストレスをためるとお腹がかたくなってしまうことがあるため、「おなかをあたためる」というケアもリラックスして心を整えるのに効果的だ。服の上から手の平をおヘソの周辺に当て、手のぬくもりで2〜3分あたためるというシンプルなものだが、副交感神経を刺激して心身をリラックスモードに導くという。

おうちメンタルケア入門 不安をそっと手放す方法 P36-37

おうちメンタルケア入門 不安をそっと手放す方法 P72-73

 なお、本書を監修しているベスリクリニックは、からだ作りをするトレーニングジムがあるように、メンタルをすこやかにととのえる場所が必要という考えで生まれた東京のクリニック。「こころ、脳、体はつながっており、トータルで治療を行えば薬は最小限、症状によっては薬は不要」との考えから、こうしたメンタルケアのアイディアも生まれてきた。とにかくすぐにできそうなケアばかりで、特別な道具もほとんどいらないのがうれしい。「おうち」とタイトルにはあるが、外出時にもぱっとできそうなことも多く、急に襲ってくる不安に対処するための「こころのお守り」として覚えておくのもいいだろう。

文=荒井理恵

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