うまくいったら「ラッキー」と口に出そう! 人生が好転するかもしれないポジティブ言葉の可能性

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公開日:2022/1/14

口にすればするほどなぜかうまくいく言葉
『口にすればするほどなぜかうまくいく言葉』(川上徹也/三笠書房)

 日本では古くから「言霊」という言葉が使われている。目に見えない力を持つ言葉は使い方次第で、人生を変えるかもしれない。ポジティブな言葉は、うまくいかない毎日を変えてくれる可能性すらある。

 人気コピーライター・川上徹也氏による本『口にすればするほどなぜかうまくいく言葉』(三笠書房)は、ふだんからの言葉の使い方を見直させてくれる一冊。ほんのわずかな一言で、自分自身や周囲の人びとに「運」を引き寄せることもできる。

ちょっとしたことでも「ツイてる」と口に出す

 言葉の力は、心理学でも証明されているそうだ。本書で紹介されているのはアメリカのイェール大学で行われた実験。「lonely(さびしい)」「bitterly(苦しそうに)」「old(年老いた)」など、高齢者を連想させるネガティブな単語が入った文章を読んだ人は、ポジティブな言葉を使った文章を読んだ人よりも「歩くスピードが40%も遅くなった」と結果が出たという。

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 これは「プライミング効果」と呼ばれるもので、日常生活でも意識しておくと「よりよいことに目がいくようになります」と著者は主張する。

 例えば、ささいなことでもうまくいったときに「ツイてる」「ラッキー」と口に出してみるのが一つの方法。「ちょうど駅に着いた瞬間に電車が来た」「信号に近づいたら、ちょうど青信号に変わった」など、どんなことでもかまわない。口に出してみると、物事がうまく回っているのを実感できる。

 さらに、一緒にいる人へ「ツイてるね」「ラッキーだったね」と伝えるのもよい。「ツイてないね」となぐさめ合うより、ポジティブな言葉を交わし合う。すると、たがいに笑顔になり「ラッキー」が舞い込む確率も上がるという。

感謝の言葉「ありがとう」は使うべき

 感謝を言葉にするのは、何だか恥ずかしい……。そう思う人もいるかもしれないが、素直に「ありがとう」と言えば「幸福感や喜びを感じやすくなる」という。

 相手に対して言う場面ではなく、自分が言われた場面を想像してほしい。誰かに「ありがとう」と言われると、自分がどこか「認められた気持ち」を味わえるはず。相手も同じで、たがいに感謝を伝え合えば、よりよい人間関係を築ける可能性もある。

 また、一言「ありがとう」と発するのは、日々のパフォーマンスにも影響を及ぼす。感謝を伝えようと意識すれば「まわりの人のいい部分」を見つけられるようにもなる。ネガティブな感情やイライラが抑えられるようになり、心の安定も期待できる。

後悔しているなら「ま、いいか」とつぶやく

 目標を達成できなかったとき、ひどく落ち込んでしまう人もいるだろう。しかし、生きていればどうしても叶えられない目標もあるはず。うまくいかない場面では、できない自分を受け入れて「ま、いいか」とつぶやいてみよう。

 後悔しているなら、気持ちを切り替えて新しい何かにチャレンジする方が時間も無駄にならない。「お金がなくなったらどうしよう?」「どうしても、あのバッグが欲しい」と何かに執着していると、視野が狭くなり、目の前にある「いい話」も見逃してしまう可能性すらある。

 過去にあった「イヤな出来事や人」に対して「許せない」と考え続けるのも同じ。執着を手放すと「必要なもの」が入ってくる。勇気を出してあきらめてみると、違う未来が開けてくるはずだ。

 同じ場面でも、言葉の使い方次第で先行きは変化する。本書は、そう感じさせてくれる一冊。人生の道しるべとして、悩む人びとに寄り添ってくれるだろう。

文=カネコシュウヘイ

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