まぐろの食べすぎは体によくないの?/誰でも健康になれるノブナガ式食べ方大全

健康・美容

公開日:2023/1/6

A 水銀濃度の高い大型魚は少量を週1回まで

 まぐろはとても栄養価の高い食品です。良質なタンパク質やビタミン・ミネラルを含み、EPAやDHAも豊富に含んでいます。本来なら「ぜひ食べてください!」と言いたいところなのですが、まぐろの体内に含まれる水銀の量が非常に多いのです。

 世の中にはさまざまな有害物質があります。放射性物質、化学物質、PM2.5など、よく耳にしますね。でも、世界を汚染させている有害物質の中心は金属です。鉛、水銀、クロム(六価)、ヒ素……なかでも無視できないのが水銀です。水銀は肺、腎臓、神経系などを中心に、体のあらゆる組織に対して有害です。毒なのです。

 2013年の「グローバル水銀評価」によると、動物の体内にとり込まれた水銀濃度はこの100年間で10倍に上昇しているそうです。その背景には、工業化が進む中で大気中や海水中に水銀が排出されるようになったからです。世界の海の表層100mの水銀量は、この100年間で2倍になったという報告があります。

 当然、魚の水銀汚染が起こります。海水中の水銀をプランクトンが食べ、それを小魚が食べ、最終的には、まぐろやくじらといった大型魚が食べます。食物連鎖の流れの中で、体内にため込む水銀濃度はどんどんふえていくのです。水銀は脂溶性なので体外には排出されにくく、なかでも脳にたまっていく怖さがあります。

すべての魚に問題があるわけじゃない。選んで食べてデトックスを!

「だったら、魚なんて食べなくていいんじゃない?」と思うかもしれません。でも、それは違います。PART2でお話ししたように、魚には体が必要とするさまざまな栄養素が含まれているのです。だからこそ、できるだけ水銀量の少ない魚を選んで食べてほしいのです。

 その目安になるのはサイズです。しらす干し100gとまぐろ100gの水銀量を比較すると、まぐろのほうが圧倒的に多いことがわかっています。大型魚は頻繁には食べないこと、食べるなら少量にすること。そして回数を少なくすることが重要です。

 もう1つ大切なのは、水銀をデトックスすることです。水銀は大部分が便で排出されます。だから便秘の人は要注意。水銀が排出されず、体内の各組織を循環してしまう可能性があります。腸内環境の改善、がんばりましょうね。

 そして日ごろからデトックス効果のある食品を食べましょう。たとえばグルタチオンという酵素は、肝臓で代謝された有害物質を吸着して排出してくれる作用があります。グルタチオンの体内濃度を高めてくれる食材が、アスパラガスとアボカドです。この2つはグルタチオンを含む食材のツートップ。また、アブラナ科の野菜にはスルフォラファンというイオウ化合物が含まれていて、高いデトックス効果があります。そのほかにも、セレン、亜鉛などが水銀デトックスには有効です。ボクもまぐろは好きですが、食べても月に数回程度までにし、1回につき50gまでにしています。

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<第4回に続く>

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