小説『グレート・ギャツビー』あらすじ紹介。元カノとよりを戻すため大富豪に。しかし、男の人生を破滅させたのは彼女への愛だった

文芸・カルチャー

更新日:2023/4/4

 アメリカの小説家、フランシス・スコット・フィッツジェラルドの代表作『グレート・ギャツビー』。過去に何度も映画化されていて、映画でこの作品を知ったという方も多いのではないでしょうか。今回は、フランシス・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』について、登場人物、あらすじをご紹介します。


グレート・ギャツビー

『グレート・ギャツビー』の作品解説

『グレート・ギャツビー』は、1925年にフランシス・スコット・フィッツジェラルドが発表した小説です。それ以前の作品によって、すでにフィッツジェラルドは知名度のある作家ではありましたが、『グレート・ギャツビー』で大きな評価を受け、フィッツジェラルドの代表作になりました。「狂騒の20年代」の真っ只中のアメリカを舞台に、アメリカンドリームで富を築いた男が、愛を求め破滅する姿を描いています。

『グレート・ギャツビー』の主な登場人物

ニック・キャラウェイ:本作の語り手。ギャツビーと親交を深め、デイジーとの仲を取り持つ。

ジェイ・ギャツビー:毎晩のように盛大なパーティーを開いている大富豪。かつての恋人・デイジーと添い遂げることを夢見る。

デイジー・ブキャナン:トムの妻。かつてはギャツビーの恋人だった。ニックとは又いとこの関係にある。

トム・ブキャナン:デイジーの夫。シカゴの裕福な家庭出身の横柄な男。

マートル・ウィルソン:トムの不倫相手。怪しげな美貌を持つ。

ジョージ・ウィルソン:マートルの夫である自動車修理工。トムに頭が上がらない。

『グレート・ギャツビー』のあらすじ​​

 ジェイ・ギャツビーの大邸宅では今夜も盛大なパーティーが催されていた。ギャツビー邸の隣に越してきたばかりのニックは、謎多き人物・ギャツビーについて聞いて回るが、誰一人として彼の正体、どうやって財を成したか、なぜ連日パーティーを開催しているのかを知る者はいなかった。いぶかしげに思うニックであったが、パーティーに招待された折にギャツビーからの交際を求められ、ふたりは親交を深めていく。

 その中でニックは、ギャツビーが5年もの間、かつての恋人・デイジーへの想いを断ち切れないでいることを知る。しかし、デイジーはトム・ブキャナンという男と結婚していた。ブキャナン家の対岸に邸宅を構え毎夜パーティーを催しているのも、彼女がいつか現れるのを待っているからだというのだ。

 ギャツビーに頼み込まれ、デイジーと又いとこの関係であることを活かしふたりの仲を取り持つニック。5年ぶりの再会を果たし、急速に距離を縮めていくギャツビーとデイジー。だが、それはデイジーの夫であるトムの疑念を招くことになる。

 マートルという愛人がいるにもかかわらず、ふたりの不義が許せないトムは、正体不明であるギャツビーのことを調査し始める。そして、ニューヨーク旅行中に起きたいさかいで、トムはギャツビーの正体を暴露する。ギャツビーは禁酒法が制定されている中、酒の密売で財を成したというのだ。

 怒り心頭のギャツビーはトムの車をデイジーに運転させ帰途につく。だが、邸宅にさしかかった頃、運転手のデイジーは、トムが来たと勘違いし飛び出してきた愛人のマートルを轢き殺してしまう。車を自宅のガレージに隠し、罪の隠蔽を図るギャツビー。しかし、トムはマートルの夫であるジョージに嘘をつき、運転していたのはギャツビーであると吹き込む。激昂したジョージはギャツビーを射殺。そして自身も自殺を遂げる。

 ギャツビーの死後、ニックはさまざまな人に連絡を取ったが、葬儀に参列したのはギャツビーの父とニック、パーティーの客1人のみであった。

<第56回に続く>

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