『浦島太郎』あらすじ紹介。玉手箱をあけておじいさんになった浦島太郎。乙姫と結婚するハッピーエンドも!?

文芸・カルチャー

公開日:2023/6/24

浦島太郎』は絵本としても扱われることがある有名な作品です。多くの方が一度は読んだ、または読んでもらったことがある本と言えるでしょう。このお話は古くから日本で語り継がれているためか、文献によっては最後の場面など一部展開が異なる場合もあります。

浦島太郎

『浦島太郎』の作品解説

 現代に伝わる浦島太郎の物語は「御伽草子」が基になっています。その一方で「日本書紀」や「万葉集」「丹後国風土記」といった、さらに昔の作品でも浦島太郎のようなお話が残っているとも言われています。

 また、竜宮城で浦島太郎が乙姫様と結婚していたり、最後の場面で鶴の姿に変身した浦島太郎がかめの姿になって現れた乙姫様と再会したり、さまざまな展開で語り継がれているのも特徴です。本記事では、現代において一般的とされている展開の浦島太郎を扱っています。

『浦島太郎』の主な登場人物

浦島太郎:丹後の国の水江の浦に暮らす心優しい漁師。魚を釣って両親を養っている。

かめ:子どもたちにいじめられていた。助けてもらったお礼に、浦島太郎を「竜宮」へ誘う。

乙姫様:「竜宮」で浦島太郎を歓迎し、御殿を案内する。帰り際には「玉手箱」を浦島太郎に手渡す。

『浦島太郎』のあらすじ​​

 むかしむかし、丹後の国の海辺で暮らす「浦島太郎」という漁師がいました。

 魚を釣ることで両親を養っていた心優しい浦島太郎は、ある日、漁の帰り道でかめをいじめる子どもたちを目撃し、かめを救出します。数日後、いつも通り魚を取るため沖に出た浦島太郎は先日助けたかめと再会し、お礼として「竜宮」へ招待されました。

 通されたのは、宝石がちりばめられて輝く大広間。浦島太郎は魚たちが運ぶめずらしいごちそうをはじめ、乙姫様の腰元が披露する歌や踊りを楽しみます。そして夢心地のまま楽しみ続け、いつしか3年の時が流れました。

 家に残したままの両親を夢にみるようになった浦島太郎は、うちに帰ることに決めました。残念そうな顔をする乙姫様は、最後に「けっしてこの箱をあけてごらんになってはいけません」と念押ししながら「人間のいちばんだいじなたから」が入った玉手箱を手渡します。

 浦島太郎が玉手箱を手に自分の家へ帰ると、すでに300年の時間が過ぎていました。寂しさから、乙姫様の言葉を忘れて玉手箱を開けてしまいます。

 中に入っていた「人間のいちばんだいじなたから」は人間の寿命で、浦島太郎は髪もヒゲも真っ白でしわだらけのおじいさんになってしまいました。

『浦島太郎』の教訓・感想​​

 いじめられていたかめを助けて竜宮へ招待されもてなされた浦島太郎ですが、乙姫との約束を破り玉手箱を開けてしまい、おじいさんになってしまうシーンが描かれています。いいことをすると自分に返ってくるということと、約束は守らないといけないという教訓が込められていますね。

<第3回に続く>

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