『竹取物語』あらすじ紹介。日本最古のSF!? かぐや姫の正体と月を見て流す涙の意味とは?

文芸・カルチャー

更新日:2024/2/8

 有名なおとぎ話であり、アニメや映画などにも題材として使われる『竹取物語』。学生時代に授業で触れた、という方もいらっしゃるでしょう。今回は『竹取物語』のあらすじを簡潔に紹介します。むかしから日本で愛されてきた物語を改めて読み直してみてはいかがでしょうか。

竹取物語

『竹取物語』の作品解説

 平安時代の初め頃に書かれ、日本で最も古い物語といわれている『竹取物語』ですが、作者はわかっていません。この時代に文字の読み書きができて歌の知識や貴族の実情などを知っていることから、ある程度推測されているようですが、決定的な証拠は見つかっていないのが現状です。

『竹取物語』の主な登場人物

竹取りの翁:本名、讃岐の造麻呂。竹を使ったものづくりを仕事にしているため、こう呼ばれている。

おばあさん:竹取りの翁の妻。かぐや姫を大切に育てている。

かぐや姫:輝く竹から生まれた。その姿はとても美しく、多くの男たちが妻にしたいと立候補した。

婿候補:石作皇子(いしつくりのみこ)、車持皇子(くらもちのみこ)、右大臣阿倍御主人(あべのみうし)、大納言大伴御行(おおとものみゆき)、中納言石上麻呂(いそのかみのまろたり)の5人。

帝:天皇。竹取物語が書かれた時代では王様のような立場であり、最も権力のある人。

『竹取物語』のあらすじ​​

 むかしむかしあるところに、竹取りの翁(おきな)というおじいさんがおばあさんと一緒に暮らしていました。

 ある日、おじいさんがいつも通り竹を取りに行くと1本の光り輝く竹を見つけます。竹を取ると中には美しい女の子がいました。連れて帰り、おばあさんと一緒に大切に育てると、あっという間に立派な女性へと成長しました。なよ竹のかぐや姫と名づけられたこの女性は、美しいと評判になり、多くの人たちが訪れるようになります。しかし、その姿を見ることはできませんでした。

 そんな中、かぐや姫を妻にしようと熱心な身分の高い5人の婿候補が現れます。

 翁がこれを告げると、かぐや姫はそれぞれに「あるもの」をもってくるように、と条件を出しました。

 石作皇子には「インドにある世界に一つしかない仏の御石の鉢」を、車持皇子には「蓬莱山(中国にある幻の島)にある銀の根・金の茎・白玉の実をもった枝」を、右大臣阿倍御主人には「中国にある火鼠の皮衣(かわぎぬ)」を、大納言大伴御行には「龍の首についている光る玉」を、中納言石上麻呂「燕のもっている子安貝」をと、難題ばかり。5人の婿候補は、解決しようと試みるも、どれも失敗に終わります。

 噂を聞いた帝は、かぐや姫を連れてくるように命じます。しかし、かぐや姫は何を言っても断りました。ついには帝が直接出向き宮中に連れていこうとするものの失敗に終わってしまいます。それから、ふたりは手紙のやりとりなどをして過ごしていました。

 3年の時が経過し、かぐや姫は月を見ては涙するようになりました。竹取りの翁が理由を尋ねると、かぐや姫は「自分が、月の都の者であること」「もうすぐ迎えが来て、帰らなくてはいけないこと」を告白します。

 実の子のようにかぐや姫を育ててきた竹取りの翁とおばあさんは、悲しみのあまり湯水も喉を通らない状態になってしまいました。噂を聞いた帝は、迎えの者たちを追い払う作戦を立てます。

 その時が来ると、夜とは思えない光が家を照らしました。すると、たちまち武士たちは戦意を失ってしまいます。そしてかぐや姫のもとには、空飛ぶ車から迎えの者たちがやってきて「姫の罪が消えたので迎えに来た」と告げます。

 かぐや姫は形見の手紙を翁に渡し、それとは別に、帝への手紙と不死の薬を勅使に渡します。天女の衣を着て空飛ぶ車に乗ったかぐや姫は、空高く昇っていきました。

『竹取物語』の教訓・感想​​

 身分も財もある5人の男性にも、さらには帝にもなびかないかぐや姫。富や権力をもっていても人の心は手に入らないという教訓が込められています。また、誰よりも育ててくれたおじいさんとおばあさんを思っていたかぐや姫の言動から、お金よりも大切なものの存在に気づかせてくれる作品です。

無料で視聴可能!『竹取物語』の物語を映画でも

『竹取物語』のあらすじはいかがでしたか。
『竹取物語』は映画化もされており、映画を視聴することでも『竹取物語』の物語を楽しめます。

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<第13回に続く>

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