明かりなき朔(さく)の夜。自らの輪郭が闇に溶けるほどの暗闇の中、それでも旅の僧は歩を進め、お堂に辿り着く/鵼の碑①

文芸・カルチャー

更新日:2023/9/15

鵼の碑』(京極夏彦/講談社)第1回【全4回】

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」憑き物落としを行う古書肆・中禅寺秋彦が活躍する京極夏彦氏の「百鬼夜行」シリーズ最新作『鵼の碑』が発売。殺人の記憶を持つ娘に惑わされる劇作家、失踪した婚約者を探してほしいという依頼に奔走する探偵。さらに消えた三つの他殺体を追う刑事、そして古文書を調べる学僧と古書肆。物悲しく鵼の啼き声が響く日光で、謎は複雑に絡み合う。時代と過去の因縁が生み出す“化け物の幽霊”を、古書肆は祓うことができるのか。同シリーズの前作『邪魅の雫』の巻末でそのタイトルが発表されてから17年、待望の新作が登場です。

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鵼の碑
『鵼の碑』(京極夏彦/講談社)

鵼の碑

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