『北風と太陽』あらすじ紹介。北風と太陽はどっちが勝った? 何事も方法はひとつではないことを教えてくれる物語

文芸・カルチャー

公開日:2023/10/27

 児童書・絵本の定番として知られる『イソップ童話』の中でも、『北風と太陽』は知名度が高い作品の一つでしょう。簡潔ながら、子どもにもわかりやすく教訓を与えてくれる物語です。読み聞かせにもおすすめな童話『北風と太陽』のあらすじを振り返ってみましょう。

北風と太陽

『北風と太陽』の作品解説

 本作は『イソップ童話』の中の一作品で、動植物が擬人化されている他の多くの収録作と同様に、自然現象が人格を持っているのが特徴です。作者とされる紀元前6世紀ギリシャの奴隷・イソップ(アイソーポス)は優れた弁舌で身を立てたと伝えられています。記録がほとんど現存していないことから真偽は不明ですが、実在したとすれば想像力豊かな人物だったのでしょう。

 彼の創作のほか、古代メソポタミアの寓話や、アナトリア半島の民話などを取り込んで成立していったイソップ寓話集は、今なお絵本や童話の定番として語り継がれています。

『北風と太陽』の主な登場人物

北風:太陽と強さを争っている。

太陽:北風と強さを争っている。

旅人:北風と太陽の争いに巻き込まれる。

『北風と太陽』のあらすじ​​

 どちらが強いかで言い争っていた北風と太陽は、近くを通りがかった旅人の上着を先に脱がせる勝負を始めます。北風が上着を吹き飛ばそうとびゅうびゅう風を吹き付けても、旅人は凍えて上着を強くつかむばかりです。

 いっぽう太陽が暖かい日差しを送ると、旅人はだんだん暑くなり、たまらず上着を脱ぎました。勝負に負けた北風は、ばつが悪そうに逃げ出していくのでした。

『北風と太陽』の教訓・感想​​

 乱暴な手段を取った北風に対して、太陽は着実な手段を取って上着を脱がせることに成功しています。このことから、物事において着実な手段を取ることの大切さを、この童話では説いているのかもしれません。

<第41回に続く>

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