森永卓郎さんに聞いた!消費税が25%まであがった世界。お金持ち以外はどう生きるのが正解?/モリタクさんの「お金の話」もりだくさん!⑤

暮らし

公開日:2024/2/20

モリタクさんの「お金の話」もりだくさん!

Q.これから消費税は25%くらいまで上がるという話を聞きました。消費税はお金持ちから貧乏人まで平等に支払わなければならない税金なので、貧乏人には厳しいように感じてしまいます。消費税が高くなっていく社会でどのように立ち回るのが正解なのでしょうか?(K、30代、会社員、女性)

 消費税は、富裕層に有利な税制です。例えば年収300万円の庶民は、年収の8割を消費に回しますが、年収2000万円の富裕層は年収の5割しか使いません。支払う消費税は、庶民が300万円×0.8×10%=24万円です。一方、富裕層は2000万円×0.5×10%=100万円となります。それぞれ消費税負担の収入に対する比率を計算すると、庶民は8%に対して、富裕層は5%となるので、富裕層のほうが、税率が低くなるのです。これが消費税の逆進性と呼ばれる現象です。

 ただ、富裕層が有利なのはそれだけではありません。極論すると、富裕層は消費税をほとんど支払っていないのです。大部分の富裕層は、自分の会社を持っています。彼らは、その会社の経費で生活することができます。保有する自家用車の購入費やガソリン代、会社の電話代、会社の電気代や水道代、取引先との飲食費、なかには取引先とのゴルフ代まで会社の経費で落としています。会社の経費で支払うと、そのときに支払った消費税は、仕入れ控除という仕組みによって、申告の際に全額戻ってきます。つまり、会社の経費で支払えば、消費税を1円も負担しなくて済むということになります。

 それでは、庶民はどうしたらよいのでしょうか。一つの方法は、富裕層と同じように自分の会社を作って、なるべく会社の経費で暮らすことです。もちろん、そうするためには、何かビジネスを始めて、まず稼げるようにしないといけません。

 もう一つの方法は、田舎に移住して自給自足の暮らしをすることです。野菜やコメを自分で作って食べれば、自家消費分に消費税はかかりません。自分で薪割りをして、薪ストーブで暖を取れば、消費税はかかりません。

 都会で暮らす人にも方法はあります。衣服などをフリーマーケットやフリマサイトで購入するのです。そうすれば、消費税を支払わずに済みます。個人間の取引に消費税は課税されないからです。

<第6回に続く>

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