ケガで時速1kmでしか移動できないとき、時速3kmで迫る怪異から18mを逃げきれるか?/とけるとゾッとする こわい算数2-⑤

暮らし

公開日:2024/3/17

とけるとゾッとする こわい算数(2)赤い女は何人いるでしょう?』(小林丸々:作、亜樹新:絵/ポプラ社)第1回【全6回】

 累計35万部突破の『本当はこわい話』(角川つばさ文庫)作者の新シリーズ、オモこわ度アップの第2弾!「公園で姿を消した女の子がやりかけの算数ドリルに書き残したたし算、答えからわかる真実は?」「足にケガをして入院中の男の子、時速3kmで追いかけてくるお化けから逃げられる?」といった問題を解きながら、隠された意味に気づくと、恐ろしい真実が浮かび上がる…!『とけるとゾッとする こわい算数』は、算数×こわい話×ナゾトキがひとつになったショートストーリー集です。「こわい話」が大好きな女の子、案内役のフミカちゃんといっしょに算数の勉強をしよう!

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とけるとゾッとする こわい算数(2)赤い女は何人いるでしょう?
『とけるとゾッとする こわい算数(2)赤い女は何人いるでしょう?』(小林丸々:作、亜樹新:絵/ポプラ社)

19 入院中の体験

サッカー部の練習中に右足を骨折してしまったタナカくん。

市内の大きな病院に入院しています。

夜中にトイレに行きたくなり、一人で向かいました。

昼間はなんとも思わないのに、照明の落ちた、暗く長い廊下は不気味です。

松葉杖をつくのも面倒で、手すりをたよりに、ケンケンでトイレに行きました。

用をたして部屋にもどろうとすると、廊下の奥――自分の病室とは反対の方向から、誰かがこっちに向かって来ることに気づきました。

白衣姿だったので、医師か看護師だと思いました。

だけど、目を細めてよく見ると、その白衣は、首から上がありませんでした。

どんなに目をこすってみても、顔はあらわれません。

事態が理解できず、その場で固まってしまったタナカくん。

ですが、白衣の足は止まりません。

ゆらゆらと体を不気味にゆらしながら、廊下を前進してきます。

得体の知れない恐怖に、タナカくんの全身はガクガクとふるえました。

と、とにかく、早く逃げなくちゃ……。

白衣が24mの距離まで近づいたとき、タナカくんは自分の病室をめざして、足をふみだしました。

足をケガしているタナカくんは、時速1kmで移動します。白衣は時速3kmで歩きます。

トイレから病室までの距離が18mのとき、

白衣に腕をつかまれることなく、タナカくんは病室までたどりつくことができるでしょうか?

ただし、白衣の伸ばした手は氷のように冷たい。

とけるとゾッとする こわい算数(2)赤い女は何人いるでしょう?

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