中二病でトラブルメーカーってなんなの? 『ソードアート・オンライン』ほか ―ブンガク!【第7回】―

ソードアート・オンライン

2013/7/2

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、作家や絵師など関係者への取材も織り交ぜながら、ラノベ風の会話劇でお送りします。毎月第1・3火曜に更新予定!

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


【前回までのおさらい】
○【第1回】ブンガク部が廃部ってどういうこと?
○【第2回】帰国子女でラノベ好きな美少女あらわる!
○【第3回】ブンガク部の救世主?顧問をさがせ
○【第4回】ラノベ好きな先生からの挑戦状
○【第5回】『東京レイヴンズ』作者・あざの耕平さんに聞いてみた
○【第6回】ラノベって女の子でも読めるの?

~ブンガク部 部室~

佐藤唯(普)
「すみません! ちょっと、遅れました」

桜井智樹(普)
「やあ、唯ちゃん!」

佐藤唯(普)
「あら、智樹先輩。お一人ですか?」

桜井智樹(普)
「うん、中島先輩もまだ来ていないんだ」

佐藤唯(笑)
「中島先輩が遅刻? 珍しいこともあるんですね」

桜井智樹(普)
「うん、僕もそれ思った。来てみれば僕、一人なんだものテンション下がったよ」

佐藤唯(普)
「はいはい、お疲れ様です。で、なにをしていたんですか?」

桜井智樹(普)
「おお、シビアな反応! ……実は部員募集用のチラシを作っていたんだよ。顧問に田中先生が来てくれたと言っても、のんびりはしていられないからね」

佐藤唯(普)
「ですよね。この部はあまり余裕のある部ではないですからね。でも本当にどうしましょうか部員の件?」

桜井智樹(普)
「うん、こないだの校内放送の宣伝で少しは部員が集まりそうだけど、誰か、来ないかな?」

佐藤唯(笑)
「まあ、そんなに都合よくは行きませ……」

石田健(笑)
「チワ~ッス、ちょっとお話いいですか~?」

佐藤唯(困)
「……あれ? 誰か来ましたね」

桜井智樹(困)
「……てッ! 君は!?」

石田健(困)
「よう、智樹! お前、この部だったのか?」

桜井智樹(困)
「……い、石田君! な、何でブンガク部に!?」

佐藤唯(困)
「あら、お知り合いですか、先輩?」

桜井智樹(普)
「うん、僕のクラスメイトなんだけど……」

佐藤唯(笑)
「……そう、でしたか」

石田健(笑)
「お、一年生か? 俺、二年の石田健っていうんだ、よろしくな!」

佐藤唯(笑)
「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします。……で、石田さんはブンガク部には何の用で?」

石田健(笑)
「ああっ! 俺、このブンガク部に入ろうと思ってさ。部員募集中なんだろう?」

桜井智樹(困)
「な、なんだって~!!」

佐藤唯(困)
「ん? どうか、なされました、智樹先輩?」

桜井智樹(困)
「なんてゆうか、彼はいろいろと問題が……」

佐藤唯(普)
「問題?」

桜井智樹(困)
「彼は……入る部でトラブルを起こす常習犯なんだよ!」

佐藤唯(困)
「トラブルを起こす常習犯!?」

桜井智樹(怒)
「そうなんだよ、オンラインゲームで二刀流に目覚めたのか(※1)、剣道部では入部していきなり二刀流で戦おうとするし!」

ソードアート・オンライン

※1「オンラインゲームで二刀流に目覚めた」
『ソードアート・オンライン』(川原礫/アスキーメディアワークス)

クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する―。謎の次世代MMO『ソードアート・オンライン』の“真実”を知らずにログインした約一万人のユーザーと共に、その苛酷なデスバトルは幕を開けた。ゲームに参加した一人である主人公・キリトは、いち早くこのMMOの“真実”を受け入れ、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、パーティーを組まないソロプレイヤーとして頭角をあらわしていく―。2013年6月現在の発行部数は770万部、2012年7月にはファン待望のアニメ化も実現した超人気シリーズ。二刀流はキリトが使う主な剣術のひとつ。

佐藤唯(困)
「二刀流!?」

桜井智樹(怒)
「謎のアプリをダウンロードして、俺は、もっと先へ『加速』したいんだ(※2)、とか言い出して陸上部に入部しちゃったりとか!」

アクセル・ワールド

※2「俺は、もっと先へ『加速』したいんだ」
『アクセル・ワールド』(川原礫/アスキーメディアワークス)

2046年、都内にある私立梅郷中学校に通う小柄で肥満体型な少年ハルユキは、内向的な性格ゆえ、いじめの対象となり辛い日々を送っていた。そんなある日、ハルユキは副生徒会長を務める“黒雪姫”から謎めいた言葉を告げられ、加速するもう一つの世界で繰り広げられる戦いにハルユキは身を投じてゆく―。第15回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作にして、川原礫のデビュー作。2012年4月にアニメ化された。冒頭のセリフはもともと黒雪姫がハルユキに告げた言葉。原作では「もっと先へ――『加速』したくはないか、少年」

佐藤唯(困)
「What’s! なぜに陸上部!? なんだかもう、いろいろ間違っていません?」

桜井智樹(怒)
「あとは、今日から俺、ミスリル(※3)に入って軍人になるんだ、とか言い出して科学技術部に入部した挙句、着ぐるみ型パワードスーツ(※4)を作ろうとしたりとかね!」

フルメタル・パニック!

※3「ミスリル」/ ※4「着ぐるみ型パワードスーツ」
『フルメタル・パニック!』(賀東招二/富士見書房)

対テロ組織“ミスリル”に所属する相良宗介は、都立陣代高校に生徒として潜入し、その高校に通う特殊能力を持った少女「千鳥かなめ」を秘密裏にボディーガードすることに。初めはかなめに変人扱いされて避けられていた宗介だったが次第に打ち解けていく。ところがある日、かなめを狙うテロリストの魔の手が迫り絶体絶命のピンチに。宗介は、ミスリルの最新人型ロボット「アーバレスト」を駆使して戦いを挑んでいく―。シリーズ累計1000万部を突破するライトノベルの中でも屈指の超人気作品。※4は主人公・相良宗介が開発した着ぐるみを改造して作り上げたパワードスーツ「ボン太くん」のこと。

佐藤唯(困)
「ああ、もはや言いたいことが分かるからこそ、センスが痛々しいです。俗に言う中二病の方なんですか?」

桜井智樹(普)
「俗に言わなくても中二病だよ」

石田健(笑)
「お~い、知樹、中二病なんて言うなよ。ただ俺はバトルアクションな作品が好きなだけだ!」

桜井智樹(怒)
「君の場合は大して変わらないっつーのッ!」

石田健(笑)
「まあ、そういうなよ。昔からの腐れ縁だろう」

佐藤唯(普)
「腐れ縁? と言うことはお二人は昔からの……」

石田健(笑)
「ああ、こいつとは幼馴染だ。な、智樹!」

桜井智樹(困)
「もう、気恥ずかしいから、そういう事は言わないでくれよ」

佐藤唯(笑)
「フフ、なんだか、お二人は兄弟みたいですね」

石田健(笑)
「あはは~! そう見える! まあ、そういうことだから顧問の先生か、部長さんいる?」

佐藤唯(普)
「そうですね。顧問ならともかく、部長の中島先輩なら……」

桜井智樹(普)
「……い、今はいないんだ! 部活の準備が忙しくて手が離せないらしくてね。また後で来てくれる」

石田健(普)
「ふ~ん、そうなんだ。なら俺、また出直してくるわ。その時は部長の中島先輩ってのによろしくな。じゃあ、またな!」

桜井智樹(普)
「じゃあ、また……はあ、疲れた~」

佐藤唯(笑)
「いろいろあるみたいですけど、でも結構いい人みたいですね。石田さん」

桜井智樹(普)
「まあ、いいやつなんだけどさ……ちょっと苦手かな」

佐藤唯(笑)
「でも友達なんでしょう?」

桜井智樹(普)
「まあね、とりあえず、これは彼も頭数に入れておこうかな。仕方ないけど……ま、いっか! さて仕事の続き、続き!」

佐藤唯(笑)
「はい、そうですね……そういえば中島先輩、本当に遅いですね」

……つづく

次回予告

中島優斗(困)
「あ、出遅れた、遅刻~ッ!」

佐藤唯(笑)
「あ、出オチ、ご苦労様です。中島先輩」

桜井智樹(普)
「もう、ブンガク! 7回目、終わりましたよ!」

中島優斗(困)
「え、マジで~!」

桜井智樹(笑) 佐藤唯(笑)
「さて、では次回のブンガク!もお楽しみに!」

中島優斗(困)
「ああ、僕のセリフ~」