塩と砂糖、美味しくするならどっちが先? 【科学の豆知識で料理はもっと美味しくなる!】連載第2回

食・料理

2019/2/14

『料理の科学 加工・加熱・調味・保存のメカニズム』(齋藤勝裕/SBクリエイティブ)

 料理が得意で毎日難なくこなしているという人もいれば、面倒に思いながらいやいや台所に立っている人、あるいは、もはや苦痛の元である料理は一切したくないという人もいるだろう。

 ちょっと気分を変えて、どんなレベルの人にも役に立つ、そして確実に料理の腕が上がるような「豆知識・雑学」を紹介したい。『料理の科学 加工・加熱・調味・保存のメカニズム』(齋藤勝裕/SBクリエイティブ)は、「美味しいと感じる味覚のメカニズム」から、「アク取りや下味の上手な方法」まで、知っておけばすぐ活かせるような料理に関する知識が満載の1冊だ。いつもの料理をもっと美味しく、そしてラクして効率的なものにする知識を、本書から得ていこう。

■一番に入れる調味料は砂糖。そのワケは? (本書136ページ)

 調味料を加える際の「順序」について、家庭科の授業でも習ったことがある。順番を覚えるための合言葉「さしすせそ」は、「砂糖、塩、酢、醤油(せうゆ)、味噌」のことだが、これにはきちんとした科学的な根拠があるそうだ。

 砂糖は、料理に甘味を加えるだけでなく、食材を軟らかくし、臭みを消し、照りを出すといったさまざまな作用をする。料理をする際にはつい味の輪郭を決めようと急ぎすぎて塩味を加えてしまいがちだが、砂糖を最初に入れる科学的理由がきちんとある。

 調味料が食材に浸み込むためには細胞膜を通過しなければいけないが、通過するモノの分子が大きいと、時間がかかり、味は浸み込みにくくなる。砂糖は塩に比べて分子体積が大きいため、きちんと味をつけるためには早い段階で投入することが必要となるわけだ。

 和食文化の歴史や職人の経験だけでなく、現代の科学からみても合言葉「さしすせそ」には、料理を美味しくするための重要な秘密が込められている。これを念頭に、キッチンの調味料置き場を、順序に沿って使いやすくなるよう並べ直してみるのも良さそうだ。

 このように本書では、料理をしたり食事をしたりする日常がもっと楽しくなるような知恵が、多数詰め込まれている。「理系科目は苦手…」という人も、身近な題材であればすんなり頭に入ってくるだろう。ぜひ本書を手に取って、今日の食卓を「アタマ」でも味わってみてほしい。

文=田坂文