「電子書籍」と「紙の本」それぞれのメリットを整理してみると /『インプット大全』⑪

ビジネス

公開日:2019/10/17

『学び効率が最大化する インプット大全』(樺沢紫苑/サンクチュアリ出版)

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忙しい人や読書は苦手という人にもオススメの方法とは――?

11 電子書籍を読む

何冊も持ち歩けて、購入後即確認が可能

「紙の本」と「電子書籍」、どちらで読むのがいいですか? 読書の話をすると必ず聞かれる質問です。

「紙の本」(以下「紙」)と「電子書籍」(以下「電子」)を比較した研究は多数ありますが、ジャンルを問わず「記憶力」「理解力」において、「紙」のほうが有利であるという結果が出ています。

「紙」は、ペンで書き込みをしたりマーカーで線を引いたり、手を動かしてアウトプットができます。また、本を手に持った触感、ページをめくる音や紙の匂いなど、「紙」は五感を刺激するので、記憶に残りやすいと考えられます。

 ただし、「紙」よりも「電子」のほうが優れている点は山ほどあります。まず、持ち歩きが便利。本であれば2 冊持つだけで大変ですが、「電子」であれば1,000 冊以上を持ち歩くことも可能。また、「電子」は保管場所もとりません。

 価格の面では、同じ本でも「電子」のほうが何割か安いものがほとんどです。また、「電子」には、「Kindle Unlimited」のような「読み放題」サービスを提供する会社もあります。月何十冊も読む「多読家」には、「電子」のメリットは非常に大きいでしょう。

「いつでも読める」というのは、電子の大きなメリットなので、「紙」で買ったうえで「電子にも入れて、暇があれば読み直す」というのは、非常に高度な勉強法です。大好きな小説や漫画なら、「紙」も持っているけど「電子」にも入れて、読みたくなったときにすぐ読むというのもいいでしょう。

「全文検索ができる」というのも、「紙」には絶対にできないこと。Kindle をスマホと連動させると「読み上げ機能」が使えるので、車や電車の移動中にも耳学できるという裏技もあります。

 私の場合、小説と漫画は「電子」。ビジネス書はすべて「紙」です。

 月数冊しか読まない人は、迷わず「紙」でいいでしょう。月何十冊も読む、あるいは移動中やスキマ時間も読書三昧で過ごしたい多読家の人には、「電子」のメリットは大きいです。

 アウトプットと併用し、「マーカー」や「書き込み」機能を駆使し、自分なりの工夫をすることで、電子で記憶に残し、理解度を深めることは可能です。

「電子」と「紙」、どちらを読むか。自分の読書スタイルに合わせて使い分けましょう。


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