今やるべきことに集中するための「数える呼吸」/仕事に効く! ポジティブため息②

ビジネス

更新日:2019/11/11

 人間は、1分間に約15回、1日に約2万回、1年に約730万回の呼吸をしています。 それだけに呼吸コンディションを低下させている人は、知らず知らずのうちにさまざまな不調や病気の因子を抱えるようになり、当然、仕事の効率性も低下させていくことになる――そう語るのは日本マイブレス協会代表理事、倉橋竜哉氏。 凹まないメンタルの極意は「ため息」にあり! 挑戦することが、どんどん楽しくなる呼吸法をお伝えします。

『仕事に効く! ポジティブため息』(倉橋竜哉/山と渓谷社)

今やるべきことに集中する

雑念が浮かんだらいったん横に置いてみる

 スポーツジムや自宅などで筋トレ(筋肉トレーニング)をしたことはありますか。

 重いバーベルを何度も持ち上げたりして体に負荷をかけることで、筋力を鍛えて、強い体をつくることができますよね。

 じつは、集中力も筋トレと同様に「数える呼吸」という呼吸法で鍛えることができます。筋トレと違って、特別な道具も長い時間も必要ありません。やり方は簡単で、大雑把にいえば「呼吸の回数を数えるだけ」です。やることは呼吸を数えるだけなのですが、ポイントは「呼吸に意識を集中して、それ以外のことは考えないようにする」ということです。

 たったそれだけのことなのですが、やってみると案外難しいもので、「先ほど、届いたメールの返信をしないと」「晩ごはんのおかずはどうしよう」「そういえば大事な書類の提出を忘れていた」などなど、雑念が次から次へと頭に浮かんできます。

 私たちは悟りを開いた僧侶ではないので、煩悩があったり、雑念が浮かんだりするのは仕方がありません。ただ、浮かんできた雑念をそのまま放置するのではなく「これについてはちょっと横に置いて、今は呼吸を数えることに集中しよう」と意識を呼吸に戻します。この「雑念が浮かんだら、呼吸に意識を戻す」という心の動作を繰り返すことが、集中力を鍛える「心の筋トレ」になります。意識の切り替えがスムーズにできるようになると、第1章でお伝えした「忙しい」からも頭が解放されやすくなります。

 数える呼吸は「自制心」を鍛えることもできます。自制心とは文字通り「自分を制する心」のことで、集中力の持続に欠かせないメンタル。言葉を変えると「自分のコントローラー」ともいえるでしょう。あなたは、自分のコントローラーを自分で握っていますか。それともスマホやテレビなどの誘惑に、そのコントローラーを握られていて貴重な時間を奪われていないでしょうか。

数える呼吸1

数える呼吸2

<第3回に続く>