忙しい時こそ緊張感をやわらげる「ゆるめる呼吸」/仕事に効く! ポジティブため息①

ビジネス

公開日:2019/11/9

 人間は、1分間に約15回、1日に約2万回、1年に約730万回の呼吸をしています。 それだけに呼吸コンディションを低下させている人は、知らず知らずのうちにさまざまな不調や病気の因子を抱えるようになり、当然、仕事の効率性も低下させていくことになる――そう語るのは日本マイブレス協会代表理事、倉橋竜哉氏。 凹まないメンタルの極意は「ため息」にあり! 挑戦することが、どんどん楽しくなる呼吸法をお伝えします。

『仕事に効く! ポジティブため息』(倉橋竜哉/山と渓谷社)

「心」の忙しさに縛られない

浅い呼吸を切り替えて緊張感をやわらげる

 たとえば休日の趣味を楽しむ時間。「今日は話題の映画を観るぞ」とスクリーンの前に座っていても、忙しさに追われて「取り引き先に連絡しないと……」などと仕事のことがずっと頭の中にあると、せっかくの映画を心の底から楽しむことができません。

 そのようなとき、呼吸はどうなっているかというと、ほとんどの場合、浅くなっています。アクション映画でハラハラドキドキのシーンがずっと続いているような状態といえばわかりやすいでしょう。

 それは仕事をしているときも同じで、「このあとにあれをやらなくては……」と忙しさに心をとらわれていると呼吸もおのずと浅くなってしまいます。

 「逆も真なり」という言葉がありますが、私たちの体は呼吸が浅くなると緊張状態になり、呼吸が深くなると落ち着くというメカニズムがあります。このメカニズムを利用すると、忙しくて余裕がなかった状態から抜け出すことができます。それを実現するのが、「ゆるめる呼吸」です。ゆるめる呼吸は、忙しくて「ちょっと心がいっぱい、いっぱいになってきたな……」という場合に行いたい呼吸法で、いくつかある呼吸法のなかでも、もっともベーシックなものです。やり方はとてもシンプルで、「呼吸法を試してみたいけれど、何からはじめればよいかわからない」という人にもピッタリです。

 私は講師として人前に立つことが多いのですが、いまだに、そのときは緊張します。緊張でうまく話せそうもないときに、どうするかというと、そのことを正直に参加者に話して、一緒に「ゆるめる呼吸」をやってもらいます。そうすると、私自身の緊張がほぐれるのはもちろん、会場全体の空気もやわらぎます。会議の進行役を務めるときには、ぜひ行ってみてください。

ゆるめる呼吸1

ゆるめる呼吸2

<第2回に続く>