霊に取りつかれた!? 体が勝手に動いてしまう「憑依(ひょうい)」は脳科学的にある!/ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典⑩

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公開日:2020/9/17

『びっくり事典』シリーズの最新刊! 今度のテーマは「脳」です。学習や記憶はどのようなメカニズムで行われている? 光や音などの外部刺激から、どのようにして世界観を作り上げている? など、脳にまつわるさまざまな謎を紹介していきます。

『ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典』(四本裕子:監修、加納徳博:絵、こざきゆう:文/ポプラ社)

霊がのりうつる現象は脳科学的には、ある!

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ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典

 世の中にはふしぎな現象がいっぱいある。そんななかには、霊が取りついたかのように、体が勝手に動いて、文字を書かされたりする現象も! これを憑依というんだ。

 この憑依は、科学的には解離性障害のひとつと考えられている。解離とは、自分の感覚と行動がばらばらになってしまう症状のことだ。憑依で、意志とは関係なしに文字を書くような行動をしてしまうのは、霊のせいじゃなくこの病気のせいってわけ。病気の症状として、研究だっておこなわれている。

 2012年、アメリカのペンシルベニア大学で憑依が起きた人を調べたところ、おどろくべきことがわかった。

 まず、霊がのりうつっているように手を動かして書いた文章を分析。すると、ふだんより、憑依状態にあるほうが、文章が複雑で高度だったのだ。

 では、そのとき脳では何が起きているのか? 憑依状態にある脳を調べたところ、右脳と左脳の活動するバランスが大きくくずれ、脳のあちこちの活動が変化していたのだ!

 どうやら憑依は、脳のはたらきがにぶくなるのではなく、脳が積極的にはたらいている現象のようなのだ。

 そのようなはたらきをさせた原因が霊のしわざかどうかは、また別の話。

作曲家の霊がのりうつった!?

ざんねん? はんぱない! 脳のなかのびっくり事典

憑依といえば、イギリスのローズマリー・ブラウンの話が有名だ。ある日から彼女に、有名な作曲家たちの霊がのりうつるようになり、霊の導きで400曲以上を作曲。大きな話題となった。本当に霊がのりうつったのかは調べようがないが、今もその曲はCDなどで聞くことができるよ。

続きは本書でお楽しみください。