「おりもの」で膣内の健康チェック! 生理周期によってかわる「おりもの」の状態を知っておこう/膣の女子力④

健康・美容

公開日:2020/12/1

性の悩み・不安がスッキリ! 生理のトラブルから、婦人科疾患、不妊、セックスの悩みまで。5万人の膣を診てきた女医が、「人には聞けない不調」を軽くする秘訣を公開!「膣を整える大切さ」を伝える本書から、一部をご紹介します。

膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方
『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(駒形依子/KADOKAWA)

おりもので膣の状態がわかる

 あなたは、自分のおりものを観察したことがありますか?

 正常なおりものの状態を簡単に説明すると、次のようになります。

 

●生理終了から排卵まで

 生理後2〜3日間は、生理でくずれた膣の細菌バランスが整うまで、白っぽいおりものが少し多めに出ます。その後は、毎日パンツにつくか・つかないか程度。多めと言っても、潔癖症でない限り、おりものシートが必要なほどの量は出ません。

 

●排卵期

 卵の白身のようなドロッとした伸びるおりものが出ます。伸びがよければよいほど、いいおりものです。女性側のおりもので酸性に保たれた膣内と男性側のアルカリ性の精液を中和して、1匹でも多くの精子を子宮内に送る働きをします。

 けっこうしっかりした量のおりものが出る人は、下着が汚れるので、おりものシートが欲しいなと思うぐらい出ます。

 

●排卵後から生理開始まで

 パンツにつくか・つかないかくらいの量のおりものになります。生理1週間ほど前から、膣は雑菌対策のため常在菌を増やして、おりものが酸性に傾くため、少し酸っぱいにおいのおりものに。しかし、おりものシートが必要なほどの量は出ません。

 

 こんなふうに、おりものは生理周期によって変化しています。

 ですから、自分のおりものを知ることは、生理周期を把握して病気を予防することにもつながっているのです。

 本来、膣が整っていれば、おりものは生理前、生理後、排卵期くらいしか気になりません。

 そもそも、おりものシートをつけないと気になるほどの量のおりものが出ること自体が問題ですし、おりものシートをつけることで蒸れて、さらにおりものが増えるという悪循環に陥ることもあります。

 

 暑い季節になると、ツルツルのかわいいパンツを履く、それだけで蒸れておりものが多くなる人がいます。

 かわいいパンツで蒸れておりものが増え、おりものシートを使う。

 そして、おりものシートの刺激やおりものシートについた酸性のおりものが皮膚につくことで、皮膚がただれてかゆくなる……。

 雑菌が増えすぎて、常在菌では処理できなくなり、かゆみが出るほど膣内が酸性に傾くというのは正直、異常です。

 

 さらにいうと、自分の外陰部がかぶれるということは、パートナーの皮膚にもその雑菌やおりものがついて、かぶれる可能性があるということ。

 その場合、セックス後にシャワーを浴びれば特に問題はないと思いますが、行為後も余韻に浸りたい場合は、日ごろからおりものを整えておくのが大事ですよね。

 妊娠中、おりものによる炎症が原因で切迫早産になることもあるし、おりもののことをちゃんと知ってケアしないと不妊や流産になることだってあるのです。

 自分だけじゃなくて、パートナーや赤ちゃんにも影響が出る可能性もある。だからこそ、セルフケアで膣内の環境を保ちましょう。

 おりものって、体の状態を把握するのに、とてもわかりやすく大事な分泌物です。

 おりものは、まったく出ないのがいいわけじゃないし、出すぎるのもよくありません。においや色だって時期によって違うし、量もにおいも色も、いつもの自分、正常な自分を知らなければ、異常にも気づけません。

 だからこそ、自分のおりものの状態はきちんと把握しておきましょう。

<第5回に続く>