自分のミスや失敗で不運がつづくときは、「どん底期間」にとことん付き合う!/しいたけ.のやさしいお守りBOOK

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公開日:2021/12/29

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『しいたけ.のやさしいお守りBOOK』(しいたけ./マガジンハウス)

スランプはちゃんと落ちきってみる

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 いわゆる「運が悪いとき」ってあるじゃないですか。

 なんだか知らないけどあちこちで足を引っ張られるとか、家電が全部ぶっ壊れるとか、終わったと思っていた仕事にトラブルが発生したり、チャレンジしたことに対してことごとく結果が出ないとか。裏切られ系とかもつらいですよね。

 僕はそういう状態のことを「不運の乱気流にハマる」という言い方をしているのですが、そのときに人はどういう状態になっていて、また、どうしたら抜け出せるのか。ちょっと書いてみたいと思います。

 

 僕も何回か人生で「運がとことん悪いとき」――なんかもう、不運の乱気流と悪運の滝つぼを合体させたようなところに入ったことがあります。

 多分あのころ占いなどに行っていたら、お祓いを勧められていたであろうレベルです。

 

 ただ、占い師としてこれまで仕事をしてきた経験から、「運が悪いときには落ちきってみること」も必要になるのだと考えます。

 もちろん、「不運を回避できるアドバイス」とか「ネガティブから最短で脱出する方法」というような話のほうがいいのは重々承知していますし、誰もそんなスランプや、不運の乱気流の中には入りたくないものですよね。

人生には何度か「筋トレ期間」がある

 順番に話をしていきましょう。

 去年、脚本家で占い師でもある中園ミホさんと対談させていただいたときに、個人的にいちばん盛り上がったのは「誰しも不運期はあるよね」という話だったのです。

 占いには「空亡」と呼ばれる時期があり、ハッキリ言って、この「空亡期」にどんな努力をしても、まったく結果が出ないと。

 だけど「なにもしない」のはちょっと違う。その期間は「ゆっくりバカンスしてね」という期間でもない。「やりたいことに向かって、丁寧にもがきまくれ」みたいな、そういう「筋トレ期間」でもある。

 あ、もちろん、「空亡期」の解釈は占い師によってかなり変わってくるので、これは個人的な考えであることを書き足しておきます。

 

「私、呪われているのかな?」と思ってしまうぐらいに結果が出ないとき、それは「運の後押し」が1回終わった期間だと考えてみてください。

 運の後押しって、今までだったら「自分の実力や努力」に対して、プラス20%ぐらいの結果がついてきた期間。自分のミスや失敗、そして、いわゆる不運に対しても、20%ぐらいの安全ネットみたいなものが作用していたのです。

 しかし、「運の後押し」がなくなってしまったときって、追い風は吹かないし、ダメージを受け止めてくれていた安全ネットみたいなものが取り外されてしまう。

 

「なんでそんな期間があるんだ?」

 と問われると、これはもう、「新品の運」と取り換えているからだと思います。

 

 運の後押しも、運の安全ネットも、そのときそのときの耐用年数があるし、今の自分の規格に合わせて、バージョンアップしていかなければいけない。

 たとえば、ある人がスポーツをやっていて、3年目まではすごく活躍していたけど、4年目にスランプにおちいったとします。

 それは「スランプ」として表面的に出てきているんだけど、裏側では「後押ししてきた運の衣替え」が行われている。3年目と4年目では、その人が学んでいくべきこと、成長していくべきところ、見ていく視点などがまったく変わってくる。

 

 僕はよく「運にも体力がある」と言っているのですが、「運の衣替え」のときは、運の体力が0になっています。だから、安全装置が働かず、小さなことでも直接ダメージを受けてしまうし、ダメージがかなり連鎖しやすい状態なのです。

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