理想と現実の狭間で揺れ動く。40代の「幸せレベル」は…?/40代にとって大切な17のこと

暮らし

公開日:2022/4/27

□長い人生の中で、「幸せのレベル」が最も下がるとき

 子育て中の人も40代になると、子どもがある程度大きくなった、という人が多いでしょう。小さくても一人の人間として接することができるようになります。

 乳幼児のときとは違う心配も出てきますが、嬉しいことも増えて、いろいろな感情が動きます。家族関係も、この10年で大きく変わっていきます。

 家族関係が変わるということでは、30代の後半くらいから、両親のどちらかが亡くなる、ということを経験する人も出始めます。

 その前に、介護が何年も続いた、いまも続いているという人たちもいます。

 親のどちらかが倒れる、二人とも倒れる、というようなことが起きて、たとえば東京や大阪、名古屋、福岡などの都市で仕事を続けながら、週末は介護のために実家に戻るという生活を、実際に何年も続けている人が、僕のまわりでも少なくありません。

「20代」「30代」は、自分のことだけ、自分が一緒に暮らしている家族のことだけを考えていればよかったのが、そうはいかなくなるわけです。

 その意味では、毎日がバラ色だけではすまない、どんよりとした不安がいつもあるのが、僕の「40代」を振り返っての印象です。

 その最も象徴的なことが、ごくまわりで亡くなる人が増えてくるということです。

 親だけでなく、お世話になった高校の先生とか、かわいがってくれた親戚のおじさん、おばさん、あるいは自分の高校時代の同級生が、深刻な病気になったり、亡くなったりします。

 そうやって、ごく身近で親しい人の死を体験するようになるのが、40代からです。それは「20代」「30代」ではほとんどなかったことでしょう。

 この本は、年代別の「大切なこと」をそれぞれにまとめたシリーズですが、『30代にとって大切な17のこと』(きずな出版)は、「人生でいちばん忙しい10年」という位置づけで書いています。

「40代」も依然として忙しいわけですが、「30代」との大きな違いは、忙しい毎日も、俯瞰できる余裕ができてくるところでしょう。

 一方で、いろんな現実を突きつけられることになって、がっかりさせられることも日常的にあります。

 余裕ができるのはよいことですが、それまでは向き合うひまもなかったことと向き合う時間ができて、それによって「気がつかなければよかった」ということもあるわけです。その意味で、「幸せのレベル」があるとしたら、「40代」は、それ以前と比べると、グッとレベルが下がるときでもあります。

「50代」になると、静かなあきらめとともに、また幸せ感が復活して、レベルも上がっていくのですが、「40代」では、まだ、あきらめきれないのです。

「もっとできるんじゃないか」という気持ちと、そうはならない現実の狭間で、自分に対して、ストレスや虚しさを感じてしまうのです。

 自分に対して厳しい人ほど、その思いは強くなります。

 あなたは、どうでしょうか?

<第3回に続く>


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