「頑張りました」って、どのくらい? 数字で表すことが目標達成の第一歩/いまさら聞けない「数字の読み方」超基本

ビジネス

更新日:2022/7/21

♦「頑張りました」は評価できない

 どんな部署に所属しているのであれ、ビジネスパーソンには説明責任があります。キャリアを評価されたければ、仕事の成果を自分で説明できなければなりません。その説明に数字が入っていれば、評価する側も確実に評価することができます。

 それは、数字は誰が見ても客観的な事実だからです。「頑張った」というのはその人の主観ですし、どのくらい目標に近づいたのか評価しようがありません。

 個人が仕事を進めていくにあたっても、目標と現実をそれぞれ数字で表すことが、問題解決の第一歩になります。

 

 売上などの数字で表せない仕事であれば、まず自分に求められているのはどの程度の時間をかけてどの程度の量をこなすことなのかを把握します。そして、その目標に対して自分の働きぶりはどの程度なのか、数字化する必要があります。

 ただし、問題解決という観点から見れば、その数字はなんでもいいわけではありません。「今月は60時間も残業した」「営業フロアに1日1回足を運んだ」というのは自分で自分の「頑張り」を把握する役には立つかもしれませんが、客観的な評価において重要なのは、目標に近づいているかどうかの達成度です。

 もし上司に残業時間の多さが評価されるのであれば、設定されている「目標」が間違っているのです。労働時間が多いのはいいことではありません。会社の目的を達成するため、ちょうどよい目標を設定するのは管理職の役割の1つです。

 

 会社全体としては目標となる数字があるのに、それぞれの部署に落とし込む際には「頑張ろう」というかけ声に変わってしまうパターンもあります。

「600社に販売、市場シェア30%を達成するために、われわれの部署も頑張ろう」

 これでは何をどう頑張ればいいか、よくわかりません。

「600社に販売、市場シェア30%を達成するために、われわれの部署は150社への販売を目指す。ということは、1人あたり15社だ。売上ベースでは○○円、予算は××円……」

 というように、全体の目標を分解して定量的に示せば、それぞれのスタッフが、「何をどう工夫すれば目標に近づけるのか」具体的に考えられます。

POINT 数字を細かく落とし込めば、やるべきことが見えてくる。

<第6回に続く>


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