年金を増やす最大のポイント! 年金の繰下げ受給の「メリット」と「デメリット」とは?/私の老後 私の年金

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更新日:2022/7/21

繰下げ受給をしている途中で年金が欲しくなったら?

 70歳まで繰り下げるつもりだったけれど、出費がかさんで老後資金が心もとなくなった、介護のためにまとまったお金が必要になった。こんなときは70歳を待たずに年金を受給したくなります。その点、繰下げ受給は柔軟にできています。自分の都合に合わせて、受給の開始を早めればいいだけです。

 年金の受け取り方は2種類あります。

▼途中から受給を開始する

 受給がスタートした時点までに増額された金額を受け取ることができます。一生、その金額が続きます。

▼未支給分を一括で受け取る

 繰下げ受給していた間の未支給分を、一括で受け取ることも可能です。ただし、こちらは65歳時点の受給額で計算されます。それ以降は、65歳の金額で受け取ります。増額はないものの、まとまったお金が必要なときには助かります。

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繰下げ受給にデメリットはないの?

「繰下げ受給って本当に得なの?」という疑問もあると思います。たしかに最初のうちは年金を受け取らないため損になります。

 しかし、受給がはじまれば、増額された年金を受け取ることができます。これがずっと続くのですから、長い目で見れば得をするのです。損益分岐点は11年11か月。70歳まで繰り下げると、81歳11か月以降は得になります。

 最大のデメリットは、早くに亡くなってしまった場合、払った分をもらえないということ。たとえば、70歳まで繰り下げて71歳で死亡したら損をします。こればかりはわかりませんが、84.74歳という女性の平均寿命を考えると得する可能性は高いでしょう。

 もっとも、亡くなった人にお金は必要ありませんから、それほどデメリットではないかもしれません。それに、繰下げ受給をしている途中で死亡したら、「未支給年金」として遺族が受け取れます。その場合は生命保険と同じように「みなし相続財産」になるので、相続税の優遇制度が使えます。

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<第4回に続く>


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