「オーダー傘」「ステンレスハンガー」…ミニマリストが教える本当にお気に入りの道具たち

暮らし

公開日:2018/4/25

『なんにもない部屋のもの選び』(KADOKAWA)

 断捨離という言葉がすっかり一般的になった昨今だが、人はいったい、どれくらいもののない空間で暮らしていけるのだろう。ほとんどものがない生活…それを体現しているのが、『なんにもない部屋のもの選び』(KADOKAWA)の著者である、ゆるりまいさんだ。家財道具を極限まで減らした部屋での暮らしを紹介した『わたしのウチには、なんにもない。』(KADOKAWA)シリーズがベストセラーになった彼女だが、誇張ではなく、彼女の家は、モデルルームかと思ってしまうほど、ものがない。あまりにも綺麗さっぱりものがないので、「整理整頓」という言葉すらそぐわない。

 しかし、そんななんにもない暮らしをしている彼女だが、本書では「本当はモノが大好きなんです!」と告白している。

 かつてたくさんのものに囲まれた生活をしていたころは、適当に買ったものも、気に入って買ったものも、等しく乱雑に部屋に置かれていた。そのせいで、せっかくのお気に入りに対する愛情も薄れていったという。しかし、ものの少ない家で暮らすようになってからは、ひとつひとつのものの手入れも行えるようになり、愛情も生まれていったという。

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 使っていて心地よいもの、部屋に置いているだけで幸せな気分になるお気に入りの道具などは、誰にでもあるだろう。本著は彼女の選りすぐりの愛用品だけを紹介した1冊だ。

■雨の日でも、見上げれば大好きな柄が花開く「オーダー傘」

 年に一度受注販売を行っているというイイダ傘店の雨傘。お気に入りの1本を使えば、乱暴に扱ったり置き忘れたりしないので長く大事に使うことができる!とご機嫌なゆるりさん。

 憂鬱な雨の日に持ち歩くのだから、自分の気分を明るくしてくれる1本を選びたい。突然の雨で、慌ててコンビニで買ったビニール傘が玄関で何本も鎮座している身としては、いつかお気に入りの雨傘を見つけて大切にしたいものである。

■機能も美しさも備えた、洗練アイテム「ステンレスハンガー」

 どこの家庭でも使われているであろう、洗濯物を干すためのピンチハンガー。ほとんどがプラスチック製なので、使っていくうちに劣化して割れてしまったり、ピンチがひとつだけ取れてしまうことはないだろうか。

 そこでゆるりさんがたどり着いたのがステンレス製のハンガー。頑丈で錆びず、畳んだあともピンチが絡まない。何より洗濯物を干しても美しいデザインが家事を楽しくしてくれそうだ。

■実はとってもできるヤツ 消耗品と侮るなかれ「ソープとボトル」

 洗剤やシャンプーのような、生活消耗品はストックするとかさばる上に製品ごとにデザインが違うので並べて置くと統一感がなく、煩雑な印象を受ける。そこで選ばれたのがドクターブロナーのマジックソープ。メイク落とし、ボディソープ、ハンドソープ、食器用洗剤として活用することで、省スペースになり、管理も楽になったという。ソープの詰め替えには無印良品の「PET詰め替えボトル」(白)を使って統一感のあるすっきりとした印象に。

■お見せしましょう 「持たない」私の最後の砦「黒革のバッグ」

 シンプルで流行に左右されず、歳を取っても違和感なく持てる黒地のバッグ。ゆるりさんのクローゼットに並ぶのは、彼女の憧れだった「エルメス」のバッグだ。シンプルだが、底にも美しい縫い目が施されたバッグには細部にもこだわりが見え隠れする。たくさん物を入れても型くずれしにくいのも特長だ。

 ゆるりさんのように極限までものを置かない生活をするのは、ちょっとハードルが高そう。だけど、あれもこれも欲しい気持ちを少しだけ抑えて、究極のアイテムを吟味するのはいかがだろうか。きっと彼女の「お気に入りたち」のように、あなたの生活にときめきを与えてくれるはずだ。

文=音田アユム