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エクソフォニー-母語の外へ出る旅-

エクソフォニー-母語の外へ出る旅-

エクソフォニー-母語の外へ出る旅-

作家
多和田葉子
出版社
岩波書店
発売日
2003-08-21
ISBN
9784000222662
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エクソフォニー-母語の外へ出る旅- / 感想・レビュー

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チェ・ブンブン

いかに、別の言語特有の韻を翻訳するか、外来語を母国語の良さを利用して翻訳するかが分かる本。「献灯使」で異常に、「翻訳」に拘ったワケ、翻訳の基準が分かり、レポートが書きやすくなった。

2015/04/26

James Hayashi

興味のあった著者のエッセイ的な作品。エクソフォニーとはドイツ語で,母語の外に出た状態一般を指す.ドイツに暮らしドイツ語で書物を出す著者が世界の各地に招かれ旅をし、言語に関する思いを綴られている。

2015/11/19

Ecriture

母語の外へ出るエクソフォニーの概念は、なぜ外国語で書くのか、ではなく、なぜ日本語でしか書かないことを選んでいるのかという疑問に向き合うことになる。そもそも個人の内にも複数の言語の折衝があるとき、一つの言語の外へ出ないこと自体が不可能であろう。(主に)日本語・ロシア語・英語・ドイツ語の枕木を次々と通過する旅人多和田葉子は、ときに「くだらないダジャレ」と批判されることがあっても、強い信念と怒りをもって言葉の揺らぎを見つめ続ける。小説家のエッセイの中では最高クラスの作品でしょう。

2013/02/14

ががが

「外国語を知らない者は母語を知らない」というゲーテの格言がある。エクソフォニーとは自分の母語から出ていくこと。いわば自分の慣れ親しんでいた言葉を外から眺めて見えてくる世界がそこには開けている。20年以上ドイツで創作活動をしている著者には日本語とドイツ語を行ったり来たりすることで培われた独特な言語観がある。特におもしろいのが、言葉を「形式(音・文字)」と「意味」に切り離して考えないことだ。言語はコミュニケーションの手段に過ぎないと言われることがあるが、言語にあるもっと神秘的な力を模索しているのかもしれない。

2022/10/07

かずりん

「エクソフォーニー」初めて聞く言葉だが、今では寝ても覚めても頭の中でこだまし 時にはメロディーがついて口から溢れる。水村美苗の「日本語が亡びるとき」の言語、翻訳に纏わるエピソードがフワッと浮かぶ。言葉としては訳せるけど境界を越えたいのではなく境界の住人になりたいと。なんとスリリングな物言いなのか。エクソフォニー、母語の外に出ることは外国語が耳に馴染み新しいシンフォニーに耳を傾けるようなものだ。二カ国語の間の狭間そのものが大切だと言う。読み進めるのもままならぬくらい言語の波に飲み込まれている自分に気付く。

2023/02/19

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