星に仄めかされて (講談社文庫)
星に仄めかされて (講談社文庫) / 感想・レビュー
niisun
3部作1作目『地球にちりばめられて』では多言語飛び交う会話劇を楽しめましたが、2作目の本作は少し趣が異なりました。会話劇ではありましが、言語の話は薄まり、登場人物たちのアイデンティティに焦点が当てられているように感じました。新たに登場したムンンとヴィタは、病院の地下で何らかの支援を得て住み込みで働く存在。ピュアで不可侵な存在として描かれている。ヴィタはヴィータ(生命、人生)、ムンンはムーン(月、優しさ)の象徴だろうか。彼らこそが、世俗にまみれた登場人物たちに進むべき道を示す水先案内人の様に感じられた。
2023/09/27
プロミネンス
言語をめぐる三部作の第二弾。1弾よりも面白かった。特に後半の心理戦は夢中でした。。そして相変わらず、絶妙なキャラクター性がとても心地良い。3弾はついに失われた国日本への旅。好みなので3部作とは言わずにずっと続いて欲しい。
2024/01/25
真琴
同じ母語を持つ男性と出会ったものの、彼は失語症に陥っていた。治療のため入院した病院へ、仲間は様々な方法で国境を越え集結する。鋭利な悪意を持った言葉は、思考を操り掻き乱すこともできる。でも、それにより思考の奥底にある感情を引き出すきっかけにもなるが、そんな無意識に葬った記憶を表面化する必要はあるのか?作品の本質とはずれるけれど、そんなことが頭に浮かんだ。言葉にするという行為は意外に力を要するものかもしれない。分断を超え、彼らの旅はどこに行き着くのか?最終巻を早く読みたい。
2024/01/08
kogyo_diamond
前作『地球にちりばめられて』をあくまで助走だとするとこれは助走短く地上を蹴って見事に高く跳躍した感じ。普段演劇を観る機会はほぼほぼないのであくまでイメージだが予想もしなかった舞台空間に引き込まれ、目の前で登場人物が熱演を繰り広げているといった印象を受けた。舞台的。多和田葉子流演出の"流儀"におもいを巡らすあまり、巻末の解説をすぐには読む気になれずにいる。乗組員が揃って大海原へ旅立ちのとき。"宇宙船地球号"と口にするのは安易でしょうか。ニールセン夫人の章をすっかり切り出し単独の物語として読んでる自分がいた。
2023/12/16
秋はeuglena
読了
2024/03/26
感想・レビューをもっと見る
「多和田葉子」の関連作品
何げなくて恋しい記憶 随筆集 あなたの暮らしを教えてください1 (随筆集 あなたの暮らしを教えてください 1)
- 作家
- 三崎亜記
- 松家仁之
- 木内昇
- 蜂飼耳
- 駒沢敏器
- 山根基世
- 三浦しをん
- 山田太一
- 水内 喜久雄
- 多和田葉子
- 高 史明
- 佐々木美穂
- 野崎歓
- 関川夏央
- 戌井昭人
- 山根一眞
- 池澤夏樹
- 森絵都
- 萩尾望都
- 萩原朔美
- 長嶋有
- 高橋源一郎
- 長島有里枝
- 元村 有希子
- 姫野カオルコ
- 赤坂真理
- 片山健
- 大久保真紀
- 山口未花子
- 増田明美
- 阿部和重
- 寺尾 紗穂
- 川島小鳥
- あさのあつこ
- 片桐はいり
- 秋野暢子
- 前田英樹
- 川内倫子
- 内田春菊
- 平田 明子
- 呉美保
- 那波 かおり
- 辻村深月
- 森田真生
- 砂田麻美
- 大宮エリー
- 温又柔
- 坂本美雨
- ジェーン・スー
- 金井真紀
- 望月衣塑子
- 速水健朗
- 木内みどり
- 新井紀子
- 加藤千恵
- 本名陽子
- 内田樹
- カヒミ・カリィ
- 久保田智子
- サヘル ローズ
- 仲野徹
- 加瀬健太郎
- 山崎ナオコーラ
- イッセー尾形
- 安東量子
- 大竹しのぶ
- 曽我部恵一
- 津野海太郎
- 島田潤一郎
- 俵万智
- 出版社
- 暮しの手帖社
- 発売日
- 2023-03-20
- ISBN
- 9784766002294