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言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

言語表現法講義 (岩波テキストブックス)

作家
加藤典洋
出版社
岩波書店
発売日
1996-10-08
ISBN
9784000260039
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言語表現法講義 (岩波テキストブックス) / 感想・レビュー

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zirou1984

こいつは隠れた名著。硬そうなタイトルとは裏腹に内容は大学での講義を書籍化したもので、語り口調で書かれたそれは堅苦しい文章読本は用いず学生の文章から何が良いかを考えていく。他者と大河、ことばはどこで考えることと出会うか、そんな印象的な表題から導かれる内容はどれも言葉への信頼に満ちていて、知性と感性は相反するものではなく相乗するものだと気付かせてくれる。何かを学ぶことがそのまま感動に結び付く、そんな純粋な喜びに触れられる機会なんてそうそうあるもんじゃない。読んでいて姿勢を正したくなる、心からそう思える一冊。

2015/11/11

ころこ

文章を書くとは、他人と同じ文字と規則を使うという制約の中で、他人が触れたことの無い何かに触れるという経験です。書きたいものがあって、それを文字に写し取っているというわけではなく、書いているうちに書きたいことが自ずと表現されていく。著者が「頭と手がフィフティーフィフティーだ」というのは、「そうか、オレはこんなことが書きたかったのか」と書いているときに気付く経験だからです。他方で、元々何かを直観的に気が付いていて、何とか文章に表現してみる。ところが、書いてみた文章の良し悪しは別にして(ともすると、その書かれた

2019/05/31

長谷川透

修辞技法などの小手先の技術は二の次、文章との向き合い方、生命ある文章とはどんな文章なのかを説いた良書である。なるほど、と思い学びながら読んだ箇所が半分。うん、うん、自分もそういう姿勢で書いている、と自信をつけて貰いながら読んだのが残り半分である。自分が美しいと思う文章、綺麗だと思う文章を書くことを心掛けること、文章の中で新たな自分を発見すること、これらは継続すればいい。文間を意識すること、文章の密度や呼吸に気を配ること。文章は生き物なのだ、という姿勢で付き合うようにすれば自然に身についてくれるように思う。

2013/10/02

まこみや

たとえば定言的論理的な加藤周一氏の文章、たとえば彫琢された達意自在な丸谷才一氏の文章、そのような文章を名文だと信じていた私にとって全く新しい文章観に目を開かせてくれた。モノではなくコトに立ち戻った言葉による文章。「考えるために書く」ことの意味と姿勢を「経験」として語ってくれる。自分の「実感」から出発して、自分との関係を「逆接」に置き、自分を離れて、「わからなさ」のところから書き始める。いちいち、うーん、と唸らされることばかりだった。

2020/10/17

...

文を書くことの意味、頭と手で物を考える。その際、文章の書き出しに注意すると良い、そこから緊張感が生まれるから。抵抗を大事にする。書きたくない、書きにくいと感じたところにキーがある。そのほかキーは色々あって、自分を空っぽにしたり、自分のメモを頼りに他者の声を入れることでうまくいくこともあるのだとか。まとめてしまうと味気ないが、筆者の比喩表現や思考のプロットが素敵で、まあところどころ、そんなものなのかな、と思った部分もあったけど、少なくとも何か文を書いてみようかなと思った。

2020/03/20

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