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舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

作家
森鴎外
出版社
岩波書店
発売日
1981-01-16
ISBN
9784003100608
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舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

文語で書かれたことによって、『舞姫』の全体は浪漫的なトーンで覆われることになった。物語は、ベルリンからの帰途、セイゴン(サイゴン)の港で「石炭をば早や積み果てつ」の印象的な一文で語り始められる。この物語の主人公であり語り手である豊太郎は、この時日本を目前にしていた。すなわちこれは、すべてが終わったところから始まる「喪失」の物語なのである。愛していたエリスも、そして自身の青春も、前途への夢も、すべてを時間と空間の向こう側に置いてきてしまった物語。そして遥かな彼方には、世紀末ベルリンの煌びやかな光芒があった。

2013/03/10

Willie the Wildcat

ドイツ三部作の筆頭『舞姫』、舞台はベルリン。表層と心底の乖離の齎す悲劇。相沢を一点憎む心を示す最後の件も、徹頭徹尾利己。当時の時勢と共に、自己弁護と自省感。どうにも”あの”エリスが頭に浮かぶ。『うたかたの記』の利己と結末の悲哀も共通項。但し、文中の”雛形”という漢字が、意味深。上官子息の絵師・原田。一方、『文づかひ』は、上述2作品との日欧の男性観の対比と、利己主張の主と方法の対比が妙。三部作として読み続けると、利己の対象の変遷とも言える。邪推ですが、やはり著者の独逸留学時の”客観的な”自省の念を感じる。

2018/12/28

ω

石炭をば早や積み果てつ。ーー  高校で「舞姫」の冒頭について丸一時間授業があった記憶が蘇る。笑 石炭は近代化の象徴であった、日本人はこの冒頭に「どひゃー」と度肝を抜かれたとか、中等室である必然性とか…… 鴎外初期のドイツ三部作はどれもラストが味わい深いなぁ。「消えて迹なきうたかたのうたてき世を喞ちあかしつ。」とか、調べなサッパリ分からんけど。。。後期の作品はもう少し読みやすいと嬉しい…ω

2021/06/06

スプーン

(「うたかたの記」のみレビュー)ドイツ少女と日本人留学生の淡き恋物語。史実のルードヴィッヒ二世の死と絡めてくるあたりが野心家ですね。

2019/08/08

Miyoshi Hirotaka

国際結婚をした知人がいる。日本人男性と外国人女性の組合せはほぼ失敗。成功した少ない例は、女性が知的な日本オタクの場合。森鴎外のドイツ三部作で描かれた国際恋愛と現代のそれとの共通点は、日本人男性は日本というシステムと価値観から抜けられないこと。だから、「舞姫」の悲恋、「うたかたの記」の狂気、「文づかい」の意志的な生き方が際立つ。一方、森鴎外と同時代の国際結婚の代表格は、国際連盟の事務次官を務めた新渡戸稲造。その高い調整力は、異文化のマネジメントから生まれた。だからこそ、「武士道」は世界に感銘を与えたのだ。

2014/11/17

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