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田園の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-1)

田園の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-1)

田園の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-1)

作家
佐藤春夫
出版社
岩波書店
発売日
2022-09-20
ISBN
9784003107195
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田園の憂鬱 (岩波文庫 緑 71-1) / 感想・レビュー

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春ドーナツ

題辞にエドガー・アラン・ポーの詩があった段階で「察しろよ」と言われるかも知れないが、浅学なもので本書後半から花開く「官能的なまでに描き出すロマネスクの極致」(表紙梗概抜粋)に驚嘆す。スーラの点描画を彷彿とさせる極微的空間描写は読書の愉悦を与えてくれる。帯によると生誕130年で同書はほぼ一世紀前の作品なのだけれど、とてもそうは思えない。時代を超越する、いつの世に読んでも現代性を感じさせる一篇だと個人的に思う。自然主義じゃない、空想に委ねた小説なんて拵え物だと文壇で低くみられたそうだが、旗手の哀しみですね。

2022/11/29

あきひと

大正文学を代表する名作、絵画的感性を駆使した文学と評される作品。移り住んだ丘陵の風景やら、借家の荒れ果てた庭の情景やら、二匹の飼い犬に対する近隣からの苦情に対する心情などがやたら細かく気取って表現されていて、それらからは妻にもたれ掛る生活力のない男、精神を病んだ男が見えてくる。絵画と狂気の関連性を感じる。

2022/11/26

うさえ

青春時代に読んだ時は、青春小説だと気づかなかった。自然描写のすばらしさに、著者の芸術性が溢れている。大正時代の文学青年の苦悩が、一世紀以上の時を超えて、鮮やかなイメージを伴ってまざまざとそこに在る。間違いなく、日本文学史において古典的価値をもつ一冊。

2022/11/24

vladimirmassa

ストーリーではなく一枚の油絵のようでした。 美術館でなぜか立ち止まってしまう何でもない静物画のような作品。光りと影が粗々しく描かれ、何となく物語を想像してしまう。そんな絵をぼけっと眺めてるような読書時間でした。

2022/10/05

よしくん

狂気ではなく、病んでいるんだ。細かいどうだって良い所を見つめてこだわる、妻にも冷たくあたる。後で反省もするけど、やっぱりそういうこだわりからは逃げられない。「病んでる人ってそうだよな」と思うけど、その病んだ目から見た自然はありのままで緻密に描かれていてどうしようもなく綺麗だ。知っている人も少ないと思うけど、私はこれを読んで『御緩漫玉日記 』という漫画を思い出した。病んだ作者が田舎で暮らして、やたらしょうもない事にこだわって臍を曲げるが、何故かそこが美しい所がまるっきり同じだ。

2022/11/25

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