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尾崎放哉句集 (岩波文庫 緑 178-1)

尾崎放哉句集 (岩波文庫 緑 178-1)

尾崎放哉句集 (岩波文庫 緑 178-1)

作家
池内紀
出版社
岩波書店
発売日
2007-07-18
ISBN
9784003117811
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尾崎放哉句集 (岩波文庫 緑 178-1) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

俳句も詩の一つなので、言葉のリズムは大切にすべきだと思う。しかし、尾崎放哉は五七五の定型を突き抜けてしまった作品を多く残した。「ふところの焼芋のあたたかさである」といった句は、一見単純すぎて詩になっていない気がするのだが、ぶつぶつと何度かつぶやいてみると、何とも言えない温かさが胸の中に広がっていく。有名な「入れものが無い両手で受ける」の句には、透明で凛とした詩情が感じられる。尾崎放哉の作品の中には、尾崎放哉自身が座っていて、寂しそうでありながら、温かな横顔をいつも見せているのだと思う。

2015/09/20

優希

俳句というと、五・七・五のリズムで言葉を紡ぐものですが、尾崎放哉は独自のリズムで多くの句を残したのが印象的でした。自由律俳句で突き抜けている中に詠まれた風景。「咳をしても一人」はあまりに有名ですが、その悲しみと哀しさを感じます。孤独を意識させられながらも、ユーモアが含まれている句も多くあり、寂しさの中にいながらもあたたかい目を注いでいたように思えてなりません。

2016/07/04

なる

自由律俳句としてはあまりにも有名な、「咳をしても一人」で知られる尾崎放哉。たまたま手に取ったのだけれど、先日に読んだ吉村昭がこの人をテーマにした作品を書いているそうでそちらも気になる。高学歴、エリート社員、妻子のいる一見すると順風満帆な人生を突如として放り出して逐電し、寺男として細々とした生活をしながら俳句をひたすらつくっていた酒飲みの残した句集。近くにはいてほしくない人だけどこういう人ってやっぱり必要なんだろう。自由律すぎると崩れるし、定型から自由律へと移行する間際の俳句が結構すきかもしれない。

2021/07/24

Emperor

“咳をしても一人”。やっぱり自由律俳句は、その名の通りどこまでも自由で開放的だから好き。適度に心地よい無秩序。寒い日の朝の1シーンを切り取ったような、なんでもないつぶやきみたいな句が、ずっと印象に残っていて忘れられない。

2016/11/29

ぜんこう

宮沢章夫のエッセイ「牛への道」で紹介されていたと思う。図書館で尾崎放哉の名前を見て借りてみた。 自由律俳句というのは、ちょっと違うかもしれんけどTwitterみたいな つぶやきに近いかも。「咳をしても一人」「入れものが無い両手で受ける」「淋しい寝る本がない」「赤いたすきをかけて台所がせまい」  最後の「入庵雑記」に書かれていた石に関する考えが面白いし納得・・・石も、山の中だとか、草ッ原で呑気に遊んでいるときはよいのですが、一度、吾々の手にかかって加工されると、それっ切りで死んでしまうのであります。

2016/11/17

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