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独裁者の学校 (岩波文庫 赤471-3)

独裁者の学校 (岩波文庫 赤471-3)

独裁者の学校 (岩波文庫 赤471-3)

作家
エーリヒ・ケストナー
酒寄進一
出版社
岩波書店
発売日
2024-02-19
ISBN
9784003247136
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独裁者の学校 (岩波文庫 赤471-3) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

ケストナーは戯曲として暴き出す。自由を掴むための革命の本質が取って代われ、独裁政治が何故、続くのかを。大統領のモデルはヒトラーだが、彼に似ている替え玉も実は少しずつ、違うのだ。最も罪深い、担ぎ上げた者達は御咎めなしなのが、歴史を振り返るとラストが余計に遣る瀬無くなってしまう。現在も続いているからこそ、変化を望まなくなった理由を示すような苦い皮肉が込められた本書にミシェル・フランコ監督の『ニューオーダー』を重ねながらも読了。

2024/04/12

特盛

評価3.3/5。飛ぶ教室のE・ケストナーによる大人向け戯曲。最近岩波で出版、図書館で偶然手にとる。本作では独裁者は既に殺されており、そっくりさんが既に大統領にすげ変わっている世界。替え玉の為の養成学校が物語の中心。前書きで、いきなり作者は作品のネタバレをする。謀反人は独裁政権の場繋ぎでしかない、という独裁政権のメカニズムを描くという。典型的なクーデターのメカニズム、現代でのメディア(ラジオ)の拡散力と弱点なども。薄くてすらすら読めるが、不思議と考える事は沢山出てきた。

2024/04/13

新田新一

ケストナーの傑作戯曲!暗殺された大統領の替え玉を作り出す学校があるという設定が、絶妙です。しかも、その学校には何人もの替え玉がいます。よく見ると一人一人の容姿に違いがあるのですが、パッと見ただけでは分かりません。彼らは取り巻きの権力維持のために利用されます。荒唐無稽な設定に思えますが、実際のところ現代の大統領も、これと似たところがあると思います。特に某大国の大統領とか。飛び切り苦い結末が心に刺さります。ここに作者の一抹の希望が託されている、と思いたいです。

2024/03/01

ひでお

飛ぶ教室など児童文学で知られるケストナーの戯曲。はっきりとナチス批判を意識した風刺の効いた作品です。ドンデン返しも含め仕掛けが満載ですが、ナチス時代を生き抜いたケストナーの独裁者告発状でもあるのでしょう。児童文学とはまた違った信念の強さが伝わる作品でした。

2024/03/02

ホームズ

暗殺された大統領の替え玉を養成する「独裁者の学校」。 大臣たちは彼らを使い回して権力の座に居座ろうとするが、そこに思わぬ政変が起きる…。

2024/03/10

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